あの日の君は 前編
こんにちは (*´-`*)

今日はくノ一夕鈴ネタを持ってきました!ちょっと一部ですがネタ被りがあるなって思ってここにアップします(´・ω・`;)
そろそろ放置中の連載を書こうと思ってるんですが、先に妄想の止まらなかったくノ一設定を書いたら思ったよりも長くなりそうで><

一応前後編か前中後編位で終わりたいなと前編にしました。

設定がごちゃごちゃするかもしれませんがよろしければどうぞ~


設定

現代パラレル

夕 (くノ一)
黎翔 (現代の社長)
李順 (秘書)
浩大 (ボディーガード)
張元 (珀家相談役)





 時は戦国時代。
 一人のくノ一が暗闇の中、森を走り抜けようとしていた。
 追っ手から逃れようと森に入るが、どうしても振り切れない。
 火薬玉を取り出し煙幕を張る。煙に紛れその場は何とか逃げ果せた。
 そのまま周囲を注意深く眺めながら進んでいくと、雨が降り出して一旦洞窟に入る。奥の方に隠れるように座ると少し矢が掠った傷を手拭で縛った。
 念の為に毒消しを飲み、追っ手のいない内にと雨の中外に飛び出す。
 暫く進むと切り立った崖の上の、木が一本渡してあるだけの橋を渡り始める。すると近くに雷が落ち、その衝撃と雨に濡れた木で足を滑らせ、崖に吸い込まれるように落ちていった。
(青慎っ!)

 可愛い弟の事が頭に浮かび、青慎の髪が包まれた懐紙をぎゅっと握った。


 気が付くと綺麗な草の上に転がっていた。起き上がり辺りを見回すと、見たことも無い綺麗な花が生えている。
 見覚えの無い場所に戸惑いつつ、出口を探す為歩いてみることにした。
 暫く歩いていると人の気配を感じ木の陰に隠れる。そっと覗き見ると見たことも無い服を着た男が、手に箒のようなものを持ち花びらを集めていた。
(変な髪形。それに着ている物もおかしい……ここはどこ?)

 訳も分からず歩き、大きな木を見つけよじ登る。
 するとそこには見たことも無い景色が広がっていた。初めて見る城とは違う大きな建物、その向こうに更に広がる建物たち。

「ここはいったい……」

 一人呟くと少し離れた所から、変わった音と共に駒の付いた箱のようなものが建物の前に近付き止まった。
 あれはなんだろうと興味深く眺めていると、中から小柄な男、少し癖のある髪をひとつに束ねた男、最後に艶のある黒髪に赤い瞳の男が現れる。
 その黒髪の男の顔には見覚えがあった。それは最後に行った、急激に勢力を伸ばしているからと偵察を命じられていた、珀家当主の顔だった。
 ただ顔は一緒だが着ているものが違う。不思議に思いながら観察していると、結構な距離があるのにもかかわらず視線が向けられた。
(見つかった!)

 素早く木から降りると走り出す。
 暫く逃げると建物と木の陰に隠れ一息つく。目を瞑って気配を探り、何もいないのを確認するとこれからの事を考えた。
(見たことも無い景色にあの衣装。ここから抜け出すにはどうしたら……)

「もう逃げるのはおしまい?」

 突然近くで陽気な声が聞こえ、驚き瞬時に飛び退く。
(気配は感じなかったのに何者だ)

 ピリピリとした緊張感の中、男が口を開いた。

「ここセキュリティしっかりしてるからさ、侵入者がどこにいるかなんてすぐ分かるんだよね」

 何を言ってるのか分からないが、相手は小柄な男一人だけと判断したくノ一は小刀を取り出し構える。
 すぐさま懐に入り体を屈め脚を狙うが、男は素早く攻撃をかわし刀を蹴り上げた。
 その瞬間男の支脚に脚払いをかけ、バランスを崩した所に手刀を落とす。
 しかしそれは男の手でブロックされ、一旦離れるとお互い様子を窺うように睨み合っていた。

「浩大、まだ侵入者は確保できないのか。手伝うか?」
「いや、さすがに女相手に援軍は必要ないでしょ」

 突然別の声が聞こえたと思うと、そこにはさっきの黒髪赤瞳の男が立っていた。

「先程から見ていたが、手こずっているようにしか見えなかったが?」
「さっきまではお遊びだ。これから本気で行くさ」

 表情の変わった小柄な男から漂う殺気と、赤い瞳の男の鋭い眼光に不利だと感じたくノ一は懐から火薬玉を取り出すと地面に叩き付ける。

 辺りには煙幕が広がり、煙に紛れその場を離れた。
 いつまた追っ手が来るか分からない為走り続けると、目の前に高い壁が現れる。
 腰にかけていた鉤縄を使い壁を登っていると、不意に視界が揺らいだ。
 とっさに手に縄を巻きつけ落下を防ぐが、思うように体が動かせず手からロープが解け、くノ一の体は地面に吸い寄せられるように落ちていく。

 衝撃に備えたくても体が言うことをきかない。目を瞑るとふわりとした感覚に驚き何とか目を開けると、受け止められているようだった。

「やっと効いたかよ睡眠針。ご命令通り傷をつけずに捕獲しました! しっかし本当に忍者みたいだなー」
「ああ、よくやった」

 くノ一はさっきの男達だろう二人の会話を聞きながら、そのまま意識を手放した。


「この娘の持っていた所持品も衣装も現代の物ではありません。この藍染めの衣装も現代の染物とは違うようです。そして興味深いのがこの傷に巻いていた手拭です。これは 忍者が持っていた忍びの六具のひとつだと思われます。何より不思議なのがこの懐紙に包まれた髪の毛。これが何を意味するのか……」
「そうか……まあいい、後はこの娘に聞くとしよう」

 豪華な部屋に置かれたベッドの上に娘は寝かされ、その傍らで黒髪赤瞳の男と小さいおじいさんが向かい合い難しい顔で会話をする。
 小柄な男は窓から外を覗き呟いた。

「何処からか現れたくノ一か。おもしれーことになりそうだな」


 男達の声に娘の意識も浮上し、ゆっくりと目を開ける。

「起きたか?」

 突然声を掛けられ娘は飛び退き身構えた。すると脚に纏わり付く不思議な感覚に、視線を落とすと驚いた。
(このひらひらした衣は何?)

「少し聞きたい事があるから大人しく座ってくれないかな?」

 笑顔で近づく小柄な男を娘は鋭く睨むと、裾を大きく捲くり上げ武器を探すがそこには何も無い。今度は懐に手を入れるが武器や道具は何一つ残っていなかった。

「探し物はこれか?」

 黒髪赤瞳の男が娘の武器と道具の入った籠を見せると、娘は必死な顔で飛びついた。だが簡単に腕を捻りあげられる。

「それを返して!」
「また暴れらても困るから渡すことは出来ないな」

 悔しそうに籠を見つめる娘に、黒髪赤瞳の男は事も無げに答える。

「その懐紙だけでもいいから……」
「じゃあ質問に答えたらそれは返してやろう」

 涙目で訴える娘を見て、これは使えそうだとニヤリと笑った。

「ではまず名前と、何故ここにいたのか。後その懐紙の中身についてだな」
「名前は夕。ある家のくノ一をしている。偵察の途中追っ手から逃げていたら、雨で滑り崖に落ちたと思ったらここに……懐紙の中身は弟の髪の毛。常に危険と隣り合わせなのでお守り代わりに」

 涙ぐみながら話す夕の話を、黙って聞いていた小さいおじいさんが口を開く。

「主よ。その話や持ち物などから判断すると、その娘は五百年以上昔からタイムスリップしてきたのではないかと思われますぞ」
「張元、そんな夢のような話を私に信じろと?」

 黒髪赤瞳の男は張元にジロリと冷たい視線を向ける。
 その話を聞き、夕はどうしていいか分からず青褪めていた。

「色々な文献に数例実際のタイムスリップの様子が記されています。全部ご説明しましょうか?」
「いや、いい」

 それを聞き暫し考える様子を見せると、娘の拘束を解き立ち上がった。

「夕、お前は弟のいるその時代に帰りたいんだな?」

 夕は無言で頷く。

「では帰る方法が見つかるまではここにいればいい。その代わりに私に協力してもらうが、詳細はまた後日。ああ、遅くなったが私の名は珀 黎翔だ。よろしくな夕」
「何? 話まとまった感じ? じゃあさ自己紹介。俺は浩大! よろしくな」

 珀の名に驚いていると、小柄な男も名を告げた。

「わしは張元、ここにいるなら色々調べさせてもらうぞ」
「社長が決められたのなら仕方ありませんね。私は李順です。よろしくお願いします」

 続いて張元と、ずっと無言で事の成り行きを見守っていた男も挨拶をする。

「私は夕。よろしくお願いします?」

 夕も見よう見まねで挨拶を済ませた。

続く
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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