世界(くに)の中心に立つもの
こんばんは~ (*´-`*)

前回の更新から一週間が過ぎてました(´・ω・`;)
ちょっと今書いてるのがまだ時間かかりそうなので、一昨日アップしたSNSのBDリクを持ってきました!
(最近原作設定ばかり書いてるのでちょっと現パロ書き書き中です)

原作の臨時妃時代設定で書いてますが、色々捏造してます。
何でもOKな方はどうぞ~ (*´-`*)




「お姉ちゃんっ今度はこっちの部屋に行ってみよ」
「そっちは未だ掃除出来てないから汚いですよ」

 後宮の奥深く、人のいない回廊を齢七、八ほどの子供が駆けていくのを夕鈴は笑顔で追いかけていた。


 前日夜。突然呼び出された夕鈴は雨の降る中、回廊を歩き陛下の部屋へと足を運んでいた。

「李順さんお呼びですか? ってその子はどうしたんですか?」

 夕鈴が部屋に入ると頭を抱えた李順、青ざめた老師が視線を向ける。二人の前には陛下によく似た小さな男の子が座っていた。

「陛下が小さくなったんですよ」
「え……?」

 夕鈴は聞き間違いかと聞き返すが、目の前にいるのは陛下によく似た顔立ちのブカブカの服を着た男の子。
 普通なら信じられないが、その姿を見ると納得せざるを得なかった。

「お姉ちゃんっ」

 小さな陛下に笑顔で抱きつかれると、夕鈴はその可愛さに頬が緩む。

「老師の持ってきた薬でこうなったんですよ!」
「だが飲ませたのはお前さんだろう、ワシは手に入れた薬を少し試してみようと滋養強壮の薬と偽って持って行っただけじゃ」
「滋養強壮というから陛下に政務を頑張って貰おうと、薬嫌いな陛下の為に混成酒と称して酒に混ぜてお出ししたんですよ! まさか小さくなる薬などとは思いませんでした」

 老師と李順の口論が始まり、夕鈴は黙って聞いていたがいつまで経っても収拾のつかない二人に段々とイライラが募っていった。

「二人ともいい加減にしてください! いつまで小さな子にそんな大人の醜い姿を見せるんですか! そんなのは後にしてとりあえずどうするか決めてください!」

 夕鈴に咎められ、二人は言葉に詰まる。それを後から来た浩大は楽しそうに眺めていた。

「では本題に入りましょう。この状態になった事は絶対に漏れてはいけません。なので後宮の奥の老師の所に行ってもらい、元に戻るまでそこで過ごしていただきます。ですからその世話を夕鈴殿に頼みたいのですよ」
「えっ何で私ですか!?」

 漸く落ち着いた李順から小さな陛下の世話を命じられ、夕鈴は驚愕し嫌そうな素振りを見せると小さな陛下がしょんぼりしながら見上げる。

「お姉ちゃん僕の世話は嫌? なら僕は一人でいいよ」
「そんな事無いわ! 私が面倒見るから任せてください!」

 泣きそうな顔で言われ、夕鈴はギュッと小さい陛下を抱きしめ承諾する。
 その時、小さな陛下がニヤリと笑った事に気付いた者はいなかった。

「では決まりですね。この件では特別手当を出しましょう。後呼び方ですが、万が一でもばれてはいけませんのでレイ様と呼んでもらいます」
「陛下をそんなっ……いいんですか?」
「仕方ありません緊急事態ですから! 私は政務の方を何とかしますから、老師は早く元に戻す方法を調べてくださいよ! 夕鈴殿はお世話を頑張ってください」

 その後部屋を移り、レイが一人寝を寂しがるので夕鈴は同衾をする羽目になったのだった。


 次の日。朝の支度を済ませ、何か遊びをと後宮の探検をする。
 部屋でゆっくりしたいと言われたが、子供は元気に遊ぶものと思っている夕鈴が部屋から連れ出すと思いの外楽しんでいるようで安心した。

「レイ様?」

 角を曲がるとレイの姿が見えなくなり焦っていると、急に後ろから抱き付かれる。
 一瞬陛下に抱きしめられた錯覚に陥ったが、振り返るとレイが抱きついていた。一人で羞恥に駆られていると顔を覗き込まれる。

「お姉ちゃん顔が赤いよ」
「そう? 暑いのかしら」

 笑顔でごまかすとレイはニコッと笑い庭に向かって走り出した。

「あっそっちはだめよ! 浩大が今居ないから遠くに行くなって言ってたでしょ」

 そのまま奥へと走り去るレイを追いかけ庭に降り、後ろをついていくとある場所で立ち止まっていた。

「きれいねー。ここにこんな所もあったんですね」
「うん、お姉ちゃんにも見せてあげたくて」

 レイを追いかけて行った先には蓮池があり、一面に蓮の花が咲き乱れていた。
 昨夜降った雨が蓮を濡らし、陽の光でキラキラと輝いていて美しい景色に見惚れてしまう。

「お姉ちゃん」
「あっごめんなさいつい……って何でレイ様はここ知ってたんですか?」
「それは……危ないっ」

 突然レイに引っ張られると、蓮池に矢が突き刺さった。
 夕鈴は驚きながらもレイを連れ木の陰に向かう。その間も矢は飛んでくるが何とか隠れる事が出来た。だが夕鈴は足を挫いてしまう。

「レイ様。このままだと二人ともやられてしまいます。私が囮になりますので誰か呼んできてください」

 小さな子に荷が重いかもしれないが、このままではやられてしまう。そう考えた夕鈴は、痛む足で立ち上がろうとすると袖を引かれた。

「お姉ちゃんはここにいて、僕が囮になるから」
「レイ様にそんな事させるわけにはいきません! 私が……」

 言い終わる前に唇を塞がれ、夕鈴は真っ赤になり腰が抜けて動けなくなってしまう。

「僕は夕鈴を絶対にお嫁さんにする!! だから大丈夫」
「なっ何言ってるんですか」
「僕の無事を祈るならはいと言って。言わないならもう一回……」

 そう言って再び近付く顔に、夕鈴は顔を背ける。

「はっはいっ」

 その場を逃れるため夕鈴が返事をすると、レイはそのまま飛び出して行った。
 その音に夕鈴が視線を向けると、背中がさっきより大きく見える。

「レイ様っ駄目です!」

 叫んでも止まることなく走り去り、やがて姿は見えなくなった。
 音も聞こえなくなり、動けない夕鈴はただ無事を祈る事しか出来なかった。

「浩大はレイ様のとこに行ってくれたかしら?」

 一人呟き何とか立ち上がると、挫いた足が痛む。けどじっとしていられなくて、夕鈴はレイが走って行った方に歩き出した。
 ひょこひょこと歩き回るが何も聞こえない。

「レイ様ーっどこですかー?」

 思い切って叫ぶが返事は無くそのまま歩き続けた。
 暫く歩くと突然抱き上げられ、驚き暴れると聞き慣れた声が聞こえる。

「夕鈴、落ち着いて僕だよ」

 驚き振り返ると、元の姿の陛下が夕鈴を抱き上げていた。

「陛下っ! 元に戻ったんですね! それに無事でよかった……」

 陛下の無事な姿を確認し、安心した夕鈴の瞳から涙がこぼれる。

「うん。ありがとう夕鈴。刺客も捕らえたし、もう安心だよ」

 陛下は優しく声をかけると、夕鈴が落ち着くまで待ってから老師の下へ向かった。


「あの薬は一時的にしか効かないもので良かったですな」
「それは良いけどさ、俺が李順さんに報告に行ってる間に襲われてるし焦るよな。陛下は服ボロボロだしさ」
「無事に戻って良かったですよ。早く溜まった政務を片付けてくださいね」

 老師の部屋で三人が思い思いに話しているのを夕鈴は黎翔の膝の上で聞いていた。

「あの陛下、何故私はここに座らされているんですか?」
「ん? これからはこれが普通になるよ」
「どういう意味ですか?」

 夕鈴は納得できる答えを聞けず、不思議顔で陛下を見つめる。

「李順、夕鈴を正式な妃にするぞ」
「はあああ――――っ何言ってるんですか!?」
「本当に何を言ってるんですか陛下!」

 夕鈴は驚き暴れ、李順も驚き慌てふためくその横で老師と浩大は喜んでいた。

「今宵は祝杯じゃああっ」
「じーちゃん酒なら俺付き合うぜ」

 陛下は李順に一瞥すると夕鈴を見つめる。

「夕鈴はあの時はいって言ったよね? まさか、嘘だなんて言わないよね?」

 陛下はニコリと笑うと李順に向き直った。

「李順、今回の事はお前が原因だ。もちろん反対はしないよな?」

 李順は返す言葉もなく、がっくりとうなだれる。

「陛下にはめられた――っ」

 老師の部屋には夕鈴の叫びが響いたのだった。

おわり
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