夕鈴成長記②〜鈍い兎と怒る狼〜
※こちらのシリーズは夕鈴を幼い内から近所のお兄さんである黎翔が仕込んでいくという、メチャクチャ設定のシリーズになります。それでも大丈夫な方はこのままお進みください。

〔現パロ〕〔年齢操作有〕〔ロリコン注意〕

設定

黎翔17歳(高3)
夕鈴10歳(小5)私服の学校
青慎8歳(小3)医者目指して塾通い中

明玉(小5)隣のクラス家が喫茶店
几鍔(小5)同じクラス家が雑貨屋


夕鈴のお母さんは夕鈴が小4になった頃から父岩圭の借金癖の為看護師に復帰。

夕鈴が家事を取り仕切る。



「夕鈴、もうそのシュシュはつけたらダメだ。代わりにこれをあげるよ」

そう言って、白いファーのシュシュを手渡す。

「ファー可愛いね〜ありがとう♪でもこれどうしたの?」

お仕置きの余韻の残る顔で見つめられると、幼いながら溢れ出る色気に変な虫が寄り付かないか不安が募る。

(このシュシュくれた奴も夕鈴狙いか?)

「黎兄ちゃん。怒ってる?顔が怖いよ」

その声にふと我に帰る。

「ごめん、ちょっと考え事してた。これから受験であんまり会えなくなりそうだからさ、ずっと身につけてられる物買ってたんだ」

「会えないのは寂しいけど、嬉しいっ!」
と、飛びついてきた夕鈴を抱き上げ、そっと触れるだけのキスをした。


***


汀家の朝は戦場になる。朝起きて洗濯、朝ごはんを作りみんなを起こす。

「父さん、寝ないでちゃんと食べて!青慎はいい子ね。食べたらちゃんと流しまで持って行ってくれるし」

「姉さんだけ大変だしね」

(青慎はなんていい子なんだろう…。それに比べてこの父さんは…。きっと父さんを反面教師にしてるのね)

そんな事を考えていると時間だけが過ぎていく。

「姉さん、早く支度しないと明玉さんが迎えに来るよ」
「ほんとだ!急がないと、父さんも早くしないと遅刻するわよ」

バタバタと支度をしていると、呼び鈴が鳴る。

「夕鈴おはよ〜」
明玉の声が聞こえて、慌ててファーのシュシュを結んで玄関に行く。

「おはよう!お待たせ」
「夕鈴も毎日大変ね。ところで最近ずっとそのシュシュね、可愛いけど几顎にもらったのは?」

「これは黎兄ちゃんに貰ったの、だから付けれなくて」

頬を染め嬉しそうに話す夕鈴。

「最近、何か変わったよね。結構夕鈴の事見てる男子いるよ」

からかうように言われるけど、そんなことないと思う。

「気のせいだよ、たまに変な人には会うけど」
「夕鈴は自覚ないもんね」

じゃあまた放課後、と明玉と別れて教室に入ると几顎に声をかけられる。

「よう。お前さ、気をつけろよ。最近変質者が出るらしいぞ」

「明玉と一緒だし大丈夫だよ。ありがとう」

まだ何か言いたそうだったけど、チャイムが鳴り席に着いた。




――放課後。

「そういえば、今朝几顎に変質者に注意しろって言われたよ。心配症だよね」

「几顎が心配するの分かるけど。夕鈴無自覚だしね」
「そうかな?」と歩いていると声をかられた。

「君たち可愛いね、一緒に遊びに行かない?」

見ると軽薄そうな若い男が、ニヤニヤとこちらを見ていた。

「私達まだ小学生なので、まっすぐ家に帰らないと怒られるので帰ります」

「まあいいじゃん、奢るからさ行こうよ」

そのまま立ち去ろうとすると、夕鈴は腕を掴まれる。

「離してください。帰らないと」
「夕鈴を離して!」

男の力にはかなわなくて、逃げられない。

「おい、おっさん小学生誘拐かよ」

振り向くと几顎が立っていた――。

「さっき警察に誘拐犯がいるって連絡したから、早く逃げないと捕まるんじゃないか?」

「くそっ!覚えてろ」
男は夕鈴を離して走って逃げていった。

「本当に雑魚キャラな捨て台詞はくやついたんだな…」

几顎は呆れたように、逃げる男を見ながら呟いた。

「ありがとう。どうしようかと思った」
安心すると涙が浮かんでくる。

「几顎助かったわ、私だけだと夕鈴を連れて行かれるとこだったわ」

明玉が抱きしめてくれ少しずつ落ち着着いてきた。

「ちょっと変質者の事が気になって、防犯ブザーを渡そうと思ったら、もう帰ってたから追いかけてきてよかった」

そう言って、ピンクのハートの防犯ブザーをくれた。

「ありがとう、可愛いね」
笑顔でお礼を言うと、几顎が少し赤くなった気がする?

「でもそれがあっても心配だから、帰り送ってやるよ」

とぶっきらぼうに言われ、黎兄ちゃんの事が頭に浮かんだが、受験で忙しいのに相談するのもためらわれお願いすることにした。


学校帰りは3人で帰る様になってから、危ない目に会うこともなくなり平穏な毎日が続いていた。

(几顎のおかげで安心して帰れるようになったけど、暫く黎兄ちゃんに会ってないなあ……。会いたいな)

「夕鈴!聞いてる?」

明玉の声にはっと我に帰る。

「あ、ごめんどうしたの?」
「さっきからずっと話しかけてたのに、ぼーっとしてるけど体調悪いの?」

「そういえばお前顔赤くないか?」
「気のせいだよ」
っと振り返った瞬間、視界が歪む――。

「夕鈴っ!」
「おいっ!」

2人の声が遠くで聞こえ、そのまま意識を手放した――。





目をあけると自分のベットの上にいた。

「気が付いた?夕鈴学校帰りに倒れたんだって」

ずっと会いたかった人の声がして、顔を向けると黎兄ちゃんがいた――。

「黎兄ちゃん……。忙しいのはわかってるけど、会いたかった……」

涙ながらに 手を伸ばし、抱きつくと優しく抱っこして頭を撫でてくれる。

「まだ熱下がってないんだから、夕鈴が起きるまでここにいるからゆっくり寝て?」

黎兄ちゃんの手が気持ちよくて、瞼が重くなり再び意識を手放した――。





「ん……黎兄ちゃん……」
目を開けるとすぐ側に黎兄ちゃんの顔があって、おでこを合わせられる。

「夕鈴調子どう?熱は下がったみたいだね」

「うん、大分良くなった気がするよ。ありがとう黎兄ちゃん。ってそういえば晩御飯!!」

急いで起き上がろうとすると制止される。

「ご飯の心配はいらないよ、青慎君が用意してくれてたからね。起きたら夕鈴に食べさせてってお粥も用意してくれてるよ。少し待ってて」

と、お粥を持って戻ってくる。

「はい、夕鈴あーん」
「黎兄ちゃん自分で食べられるよ〜」

結局、根負けして食べさせてもらう事に――。

「あれ?黎兄ちゃんそういえば、受験で勉強忙しいんじゃないの?」

「ああ、今日は休んだよ。忘れ物取りに帰ってきたら、夕鈴抱えた男がいたからそいつから夕鈴奪い取ってちょっと口論になってさ、しっかり釘刺しといたからもう付きまとわれないと思うよ」

「えっ!もしかして几顎?付きまとわれてもないし、逆に一回連れて行かれそうになった時に助けてくれて心配して送ってくれてたのに!!黎兄ちゃんのばか!!」

あれから1週間――。
毎日黎兄ちゃんが校門まで迎えに来てくれるようになった。
それは嬉しいんだけど、黎兄ちゃん忙しいのに悪い気もする。

明玉も気を使って一緒に帰ってくれなくなって、クラスのみんなに質問攻めにあうようになって困る。



(こんな事ならあの時、口滑らさなければよかった……)



「夕鈴、それ聞いてないけど?連れて行かれそうになったり、男に送ってもらったりしてたんだ……ふーん」

顔は笑ってるけど、纏っている空気が冷たい。怖い……。

「う……うん。でも黎兄ちゃん忙しそうで会えないし、相談できなかったから……」

じわりと目に涙が滲む。

「そうだねごめん。じゃあ明日からは迎えに行くから待ってて」
「でも黎兄ちゃん忙しいのに――っ」

そのまま唇を塞がれ、押し倒された――。



って思い出して顔が熱くなる。

「夕鈴顔が赤いよ。体調が悪い?」
「ううん、大丈夫っ!」

(考えてみれば忙しいのに付き添ってくれたのに、ばかって言って悪かったよね……)

「黎兄ちゃん、この前ばかって言ってごめんね。付き添ってくれてありがとう」

袖をつまんでボソリと呟くと、何故か抱き上げられた。

「夕鈴可愛い過ぎだよっ」

ぎゅうぎゅう抱き締められて、身動き取れない。

「黎兄ちゃん、こんなとこで恥ずかしいよ」

必死に暴れていると、後ろから声掛けられた。

「お前ら、こんなとこでイチャつくなよな……」
「几顎!どうしたの?」

振り向くと几顎がしかめっ面で立っていた。

「ちょっとそいつに宣戦布告にな。この前
言われた事をそっくりそのまま返すからな!お前より俺の方が一緒にいる時間長いんだからな!!」

「おぼてろーっ」と行ってしまった。

「几顎も雑魚キャラの捨て台詞になってるし、変な几顎」

クスクス笑ってると、不機嫌そうな黎兄ちゃんが……。

「夕鈴――。この前は倒れた後だし手加減したけど、今日はこの前のお仕置きの続きしようか?」
「べっ、別にしなくてもいいよ。黎兄ちゃんこの後また塾でしょ?やめとこうよ」

そう言って妖艶に笑う黎兄ちゃんに抱えられ、時間ぎりぎりまで翻弄された――。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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