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君を~ハロウィンパーティー~
こんばんは (*´-`*)
なんとかハロウィン終わる前にアップできました!

本当はハロウィンSSとして「まるで月のように」風のハロウィンネタ現パロを書こうとしていたんですが、この間君をのリクを頂きましてふと君をのハロウィンも書こうかなと思い立ち。

同時進行で書いていましたが、これは間に合いそうに無いなという事でこちらだけ集中してかきあげました(´・ω・`;)

という事で今回はまだ何の進展も無い二人のハロウィンのお話です。

黎翔 白陽グループ社長24歳
夕鈴(偽婚約者)20歳
李順 秘書27歳
克右 運転手兼ボディガード30歳
浩大 スパイ兼ボディガード26歳
張元 珀家お抱え主治医
秋香 珀家家政婦さん







「ハロウィンも雨予報ですね」
「最近続く雨のせいで洗濯物も乾かないし、気分も沈みますね」

 ある日の夜。天気予報を見ていた夕鈴は、数日続く雨の予報に憂鬱そうにボソリと呟いた。その呟きに秋香は同意しウンウンと頷く。

「本当に憂鬱になります。最近の黎翔さんはお仕事が大変そうなのに、この雨のせいで気分まで沈んでしまうんじゃないかしら」

 そう言った夕鈴はしばらく考える様子を見せ、クルリと秋香に向き直った。

「秋香さん!」
「何でしょう?」

 あのですねと夕鈴が話し出し、秋香は夕鈴の言葉に耳を傾ける。そんな二人の会話を隣の部屋で盗み聞きする者がいた。

「これは好都合じゃな」
「じいちゃん何考えてるのさ。怒られるぜ」
 
 一人の男はそう呟くとニヤリと笑い、もう一人の男も面白そうに笑顔を浮かべた。





「社長、今日はやけにご機嫌ですね」
「そう見えるか?」

 昨夜まで不機嫌さを隠そうともしていなかった黎翔が、今朝は驚くほど機嫌がいい。李順は不思議に思い問いかける。が、この後聞かなければよかったと後悔する事になった。

「実は……今朝夕鈴が見送りの時、今日は忙しい私の為にしたい事があるから、早く帰ってくれと言ったんだ」
「はあ、そうですか……」

 何て夕鈴は優しいんだと、その後も止まらない惚気話に李順は心底うんざりしていた。

「そんな事より! 早く帰りたいなら速やかに仕事を片付けて下さい」
「ああ、そうだなさっさと終わらせるぞ李順。ドンドン持って来い」

 あまりに続く惚気話に嫌気が差し、遮るように告げると、やる気をだした黎翔は机に向かう。李順はいつもこうならいいのにと、次の仕事を取りに社長室を後にした。

「社長のやる気は全てあの娘次第ですか……」

 社長室のある最上階はあまり人の出入りがない。その為静かな廊下に、李順の大きなため息だけが響いていた。





「皆さんありがとうございます」

 その頃。珀家の一室では夕鈴が秋香、張元、浩大と共にハロウィンの飾りを作っていた。

「いいよ、婚約者ちゃんの社長に喜んでもらいたいって気持ちに賛同しただけだからサ」

 そう言いながら浩大は手を動している。手元にはそれぞれうさ耳、狼耳のついたジャックオランタンがあった。

「浩大さん、それは何ですか?」
「え、社長と婚約者ちゃんだけど?」

 何かおかしいかなとキョトンとした顔で告げる浩大に、張元がそっと近寄る。

「それをこうしてこうじゃっ!!」

 そのまま二つのジャックオランタンを手に持つと、向かい合わせにし口付けさせた。

「じーちゃん、やったねっ」
「ちょっと! 何してるんですかっ! やめてください」

 赤い顔で慌てて取り上げようとする夕鈴と、逃げる張元に冷やかす浩大で一時部屋は騒然となる。

「夕鈴さん、駄目ですよそんなに騒いでいては社長の婚約者に相応わしくありません。張元さんも真面目にやらないなら、仕事をサボって遊んでいると社長に言いつけますよ。浩大、貴方も一緒です」

 それまで黙々と作業をしていた秋香が静かに口を開く。その言葉に皆ピタリと動きを止め、素直に謝り作業を再開した。



「これで完成っ! 皆さんありがとうございました」
「お疲れ~っ 俺らが手伝えるのはここまでだよ。後は頑張りな」

 お昼過ぎに一先ず部屋の飾り付けは完成し、手伝いの皆は部屋を出て行く。この部屋が広すぎる為飾り付けに時間がかかり、手伝ってもらっても大変だった。
 一人残った夕鈴が部屋を満足げに眺めていると、秋香が昼食を持って来る。

「先にお昼にしましょう」
「はい」

 昼食を取りながら、夕鈴の頭の中は今晩出す料理の手順でいっぱいになっていた。料理は全て手作りしたいとお願いしてある。
 本当はプロに任せた方がいいのだろうが、夕鈴は一般の家庭の雰囲気で黎翔を楽しませたかった。

「夕鈴さん。気持ちは分かりますけど、今は食事に集中してください」

 夕鈴は食べながら考えているのがそんなに分かりやすかったのかと首をかしげる。その様子を見て秋香はクスリと笑みを漏らした。

「よし、今度は料理ね。黎翔さんが帰るまでに準備出来るよう頑張るわ」

 夕鈴は大量の食材を前に腕をまくった。
 全ては黎翔さんに喜んでもらう為に――




「夜の予定は入れていないだろうな」
「もちろん空けておりますよ。ですからもう少し頑張ってください」

 黎翔が目の前に積まれた書類に目を通しながら問うと、李順は分かってますと言いたげに答えた。
 一日を過ごす内に今日がハロウィンであることに気付いた黎翔は、夕鈴はハロウィンらしい何かを用意して待ってくれているのだろうと期待していた。
 それならば今日は早い時間に帰り、逆に夕鈴を驚かせたいと思う。


「今日はもう帰るぞ」
「はい、どうぞ。お疲れ様でした」

 全てのノルマを片付けた黎翔は立ち上がり、窓の外の真っ暗な空を見た。時計を見れば針は午後七時をさしている。
 ここから飛ばせば二十分もあれば家に着く。何時もより早い帰宅時間に驚く夕鈴の顔を想像し、これから帰るとメールを送り笑顔でドアに向かった。

 すると携帯の着信音が鳴り響き、李順が電話に出る。

「えっ、どういうことですか……。成る程、それで容態の方は?」

 黎翔は驚きながらも冷静に詳細を求める李順の様子から、何やら緊急事態が起こっていると悟った。やがて電話を切った李順は、黎翔に告げる。

「自社製品を使用した事故が発生したそうです……。こうなったら今日中に帰ることは諦めてください」
「分かっている。直ぐ詳しい状況を調べろ!」

 黎翔はそこからバタバタと対応に追われる事になった。


 ようやく少し落ち着いたと慌てて自宅に戻ると、もう直ぐ日付が変わりそうになっていた。こんなに遅くなっては夕鈴はもう待ちくたびれて寝てしまっているかもしれない。

「社長、お疲れ。大変だったみたいだね」

 玄関に足を踏み入れると横から呑気な声が聞こえ、黎翔は視線を向けた。そこには浩大が一人立っていて、ニヤニヤと嬉しそうにしている。

「会社が大変な時にお前は呑気に遊んでいたのか?」

 自分が帰れなくなった間も浩大は夕鈴の傍にいたという事実が腹立たしいと黎翔は咎めるような視線を投げる。

「えっ俺は婚約者ちゃんの護衛じゃないの? 遊んでなんかないって! そんなことよりさ、仕事の事伝えてあるから待ってるぜ」

 そんな黎翔に焦った浩大は、話を変えようとある部屋に誘導しサッと姿を消した。


「夕鈴遅くなってごめん」

 黎翔が言いながらドアを開けると、中は電気もついておらず真っ暗だった。不思議に思っているとパンパンと、突然クラッカーの音が鳴り明かりが灯る。

「Happy Halloween!」

 そこにはアリスコスにうさ耳をつけた夕鈴がいて、部屋は可愛く飾り付けられテーブルには沢山のおいしそうな料理が並んでいた。
 部屋をグルリと見回した後、ゆっくりと夕鈴に視線を戻した黎翔に衝撃が走る。
(可愛い! 可愛すぎるっ)
 何故こんなに夕鈴にウサ耳が似合うのか。この姿を誰にも見せたくないほど可愛かった。

「黎翔さんお疲れ様です! 一緒にハロウィンパーティーしようと思って用意したんです。……でも、お仕事が大変だったんですよね……?」

 黎翔があまりの衝撃に固まり一言も発しない為、夕鈴は疲れているところ迷惑だったのかと思い問い掛ける。その言葉に我に返った黎翔は慌てて口を開いた。

「少し、驚いただけだから大丈夫。仕事も何とかなったから気にしないで。ありがとう夕鈴」
「それなら良かったです」

 優しい笑顔を向ける黎翔を見て、夕鈴もホッとしたように笑顔を浮かべる。黎翔はそれを見てまた内心悶えた。
(黎翔さんさっきから顔が赤いけど、走って帰ってきてくれたのかしら?)
 理由に気付かない夕鈴はそんな事を考えていた。

「もしかして夕鈴も食べていない?」

 黎翔がこのままでは押し倒してしまいそうだと視線をテーブルに移すと、用意された料理に手をつけた形跡は無い。

「黎翔さんと一緒にパーティーしたくて……だから、席に着いてくださいね」

 そう言うなり夕鈴は黎翔の背を押し、テーブルに誘導する。ワインの注がれたグラスを手渡し、夕鈴は葡萄ジュースの入ったグラスを持った。

「ありがとう」
「私は別に用意してもらった葡萄ジュースで気分だけ味わいます」

 二人はワインとジュースで乾杯する。その顔はどちらも笑顔を浮かべとても幸せそうに見えた。

「出来立てでは無いですけど……。頑張って作ったので沢山食べてくださいね」
「え、これ全部君の手作り?」

 そう言った夕鈴に驚きの視線を向ける。テーブルに並べられたおいしそうな料理は、どれも手が掛かっているように見えて思わず聞き返した。
 すると夕鈴は少し恥ずかしそうに、でもはっきりと答える。

「全ては貴方の為に」

 それでなくても夕鈴のうさ耳姿にドキドキしているのに、そんな可愛い事を言われてはと暫し視線を逸らした。

「そうか、じゃあ頂くよ」

 何とか気持ちを落ち着かせた黎翔は、平静を装うと微笑みかける。
 夕鈴の手料理はどれを食べてもおいしいと言い沢山食べる黎翔を、夕鈴は頬を染め見つめ続けた。


「そんなに見つめられると照れるな」
「だって、黎翔さんが喜んでくれてるのが嬉しいんです。その為に今日頑張ったんですから」

 あまりに見られている為、黎翔がそう言うと夕鈴は少し拗ねたように頬を膨らませる。その顔も、全てが可愛くて夕鈴を抱き上げた。

「こうするともっと嬉しいな」
「私も嬉しいです」

 黎翔が笑顔で告げると、夕鈴は黎翔の背中に腕を回す。何時もはもっと恥ずかしそうにしているのに、今日の夕鈴はやけに積極的だった。
 これはハロウィン効果というものだろうかと、黎翔の胸は高鳴る。


「夕り……ん?」

 暫らくそうしては抱き合っていたが、黎翔が異変に気付き顔を覗き込んだ。すると夕鈴は目を瞑り寝息を立てている。
 今日は頑張ったから疲れたのかと思ったが、夕鈴の顔が赤いままなのが気になった。飲みかけのジュースを匂ってみると、微かに酒の匂いがする。

「そういえばずっと気配を感じてはいたが、お前の仕業か張元……」

 隣の部屋に向かい言い放つと、カタンと音がし気配が消えた。

「奴はいつも余計な事しかしないな。仕方ない、可愛い夕鈴に癒された事だし今日はここまでか」

 黎翔は腕の中で気持ちよさそうに眠る夕鈴を抱き上げベッドに運んだ――筈だったが、服を掴まれ動けなくなり暫く悶々とする事になった。
 
おわり
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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