夕鈴成長記*番外編*〜ホワイトデーデート〜
※こちらのシリーズは夕鈴を幼い内から近所のお兄さんである黎翔が仕込んでいくという、メチャクチャ設定のシリーズになります。それでも大丈夫な方はこのままお進みください。

〔現パロ〕〔年齢操作有〕

設定

黎翔23歳
夕鈴16歳(高1)



「黎兄ちゃん支度出来たよ〜」
呼びに来た夕鈴を見て言葉を失う――。

白のスキニーにベージュのVネックニット、茶色チェックのチェスターコート。薄く化粧もし、髪も前髪を流し大人っぽい。


「黎兄ちゃん、似合わない?変かな?」
不安げに見つめられ、我に返る。

「ごめん、似合ってるよ。いつもと違うからびっくりしただけだよ」
「よかった」
ふわりと笑った顔は何時もの可愛い夕鈴で。思わず顔がほころぶ。

「じゃあ行こうか」




「映画久しぶりだね〜♪2年前はここで大ちゃんに会ったよね」
「まだその名前を出すんだ。またお仕置きして欲しいのかな?」
思わず怒気を含んだ声が出る。

「思い出しただけだよ、もう直ぐ映画始まるよ?ほらほら」
あたふたする夕鈴に頬が緩む。

「夕鈴はちゃんと最後まで観れるのかな?ミステリー苦手だよね」
「ちゃんと最後まで観れるよ!」
頬っぺたを膨らませ怒っている夕鈴は、格好は大人っぽくても何時もの夕鈴だ。

「じゃあ観ようか」


***


「夕鈴、映画終わったよ。起きて」
映画の途中で寝てしまった夕鈴を起こす。

「えっ、ごめん寝ちゃった…」
「いいよ、朝も早く起きてお弁当作ってたし眠いよね」
優しく声をかけるが、夕鈴は悔しそうだ。

「公園に移動して、お弁当を食べようか」
「うん…」
気落ちする夕鈴を連れて車に戻り移動する。



「梅が満開で綺麗だねー。黎兄ちゃん折角だし梅の花の下で食べようよ」
花を見てもう笑顔になった夕鈴を追いかける。
(今ないたカラスがもう笑ってる、まだやっぱり中身は子供だな)

「今日はちらし寿司にしたよ♪あと鶏つくねとフキ煮とアスパラの梅和えとたけのこきんぴらだよ」
「どれも美味しそうだね」
美味しいと全て平らげ、お茶を飲んでいると「黎兄ちゃんあとこれ」と、夕鈴が出したものは――。

イチゴを縦に薄く切って薔薇の花をかたどったタルト。

「今年はカスタードもソースも全部手作りだよ」
頬を染めて嬉しそうに説明してくれる。

「毎年腕が上がっていくね、嬉しいよ」


夕鈴は私がフラワーバレンタインを始めてから、花の形のお菓子をお返ししてくれるようになった。

5年前は花型のクッキー、4年前は花の形のカップケーキ、3年前はアイシングの花を飾ったブラウニー、去年は立体的な花クッキーの花を飾ったイチゴケーキ。

「私からのお返しはこれだよ」
と、ラッピングされたプレゼントを差し出す。

「ありがとう開けていい?」
夕鈴は丁寧にラッピングを外していく。
「アニエスの腕時計だ!文字盤ピンクで可愛い」

夕鈴は嬉しそうに腕時計を箱から出して、色んな角度から見ている。

「学校には指輪はつけれないから、腕時計ならつけていけるでしょ」
「うんっ!でも高くない?大丈夫?」
少し申し訳なさそうな顔で見上げられる。

「そんな事は気にしなくていいよ。夕鈴が喜んでくれればそれでいいよ」
頭を撫でると「また子供扱いして奥さんになったのに」とプリプリ怒られる。
「ごめんごめん、じゃあおやつ食べたら大人デートの続き行こうか」






「ここは写真美術館だよ、色んな写真が楽しめるよ」
「この猫ちゃんの写真が好き、下から照らされた光の上にうずくまって寝てるよ」
「こっちの花の写真も、花とクモの巣の組み合わせだけど、濡れたクモの巣がキラキラしてて凄く綺麗」
夕鈴は輝くような笑顔でくるくるはしゃぎまわる。

「夕鈴美術館なんだからちょっと落ち着いてね」
一通り回り終わる頃にはもう日が暮れ始めていた――。
流石に夕鈴も元気が無くなってきたし、少し休憩かな。

「夕鈴カフェで休憩しようか」
明らかにホッとする夕鈴。

「疲れた?」
顔を覗き込むと、明らかに様子がおかしい。
パンプスを脱がそうとすると「人前で恥ずかしい」とか言って嫌がっているが無視して脱がすと、ひどいマメになっていた。

「履き慣れないもの履くから…。こんなになる前に早く言えばいいのに」
「だって…今日は黎兄ちゃんに合わせようと決めてたし…」
みるみるうちに目が潤んできて涙がこぼれる。

「とりあえず今日は帰ろうか」
泣いてる夕鈴を隠すように抱き上げて店を出る。

車に乗せて声をかけるとピクリと肩を震わせる。

「――夕鈴、私に合わせてくれようとしたのは嬉しいけど、無理しないで。これからゆっくり大人になっていけばいいからね、今は可愛い夕鈴でいて」
「黎兄ちゃん…本当に今まで通りでいいの?」
涙目のまま見上げられて理性が飛びそうだけど、これは言っておかないと。

「そのままの夕鈴がいいんだよ」
そう言って涙を拭ってやり、そっと触れるだけの口付けをした。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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