夕鈴成長期*番外編*〜高校最後の夏休み〜
こんばんは〜(*^o^*)
今日もある方のお誕生日リクをこっそり持ってきました!
あちらの方にはまた後でアップしようかと。
そして今回書き書きしていて思ったのですが、ここ最近1話が長くなる傾向にあり書くのに時間がかかる事実に気づきました(・・;)
もう少しさらりと書いて更新速度を上げるか、このまま行くか悩むところです。

と、言うわけでこの二人のシリーズのお話が好きと言ってくださった方のために書かせて頂きました夏の二人のお話。
何でもOKな方はよろしければ読んで見てくださいm(._.)m

※こちらのシリーズは夕鈴を幼い内から近所のお兄さんである黎翔が仕込んでいくという、メチャクチャ設定のシリーズになります。それでも大丈夫な方はこのままお進みください。

〔現パロ〕〔年齢操作有〕

設定

黎翔父(有名な弁護士。事務所あり)
黎翔24(大学卒業後弁護士目指し父親の仕事を手伝いながら勉強中)
夕鈴(17歳女子校に通う高校3年生)




「大当たり~」

 多くの買い物客で賑わうデパートの店内に、大きな声とカランカランという鐘の音が響き渡る。私は今、福引会場のガラガラくじの前に立っていた。
 


「あ、夕鈴。今日帰りに買い物に付き合ってくれない? どーしても見たい物があるの!」

 本当は黎兄ちゃんに真っ直ぐ帰るように言われているけど、どうしようかと悩む。だけどそれは明玉も知っているはずなのに、その上でのお願いとは何だろうか。

「うん、分かった一緒に行こっ」

 いつも相談に乗ってもらったりしているしと、今日は内緒で付き合うことにした。



「これはどう?」
「うん、可愛いよ」

 デパートの水着売り場で、明玉は色々な水着を手に悩んでいる。夏休みに彼氏と海に行くという事で、水着を一緒に選んで欲しかったそうだ。
 

「あ、これにしようかな」

 明玉が手に取ったのは、青と白の太目のボーダービキニだった。露出度の高さが気になるが、今まで見てきた中で一番似合うと思う。

「それ似合いそうだね! 肌見せすぎな気もするけど」
「何言ってるのよ! このくらい普通よ。夕鈴もこれの赤白買ってお揃いにしよっ」

 内緒で帰りに買い物に来ただけでも怒られそうなのに、水着を買うなんてとんでもないと断った。
 だけど「みんなの視線を独り占めして、彼氏に妬いてもらってラブラブよ~」の一言で決意は揺らぐ。気付けば明玉とお揃いの水着を購入していた。
(買っちゃった)
 とりあえず何て説明しようかと頭を悩ませながらも、黎兄ちゃんとこの水着で海に行く姿を想像し自然に頬が緩んだ。

「夕鈴、笑ってないで抽選しに行こうよ」
「あ、うん」
 
 明玉の声でハッと我に返り、レジで渡された抽選券を握りしめ福引会場へ急ぐ。

「あー外れた。一等だったらこの水着を持って旅行も行けたのに!」

 先に明玉が回すとはずれを示す白い玉が落ち、とても悔しそうにしている。次に私がドキドキしながらレバーに手を掛けた。
 一呼吸いれ気合を入れてまわすと、目の前にコロンと金色の玉が落ちる。それは一等の常夏島へ三泊四日の旅が当たった事を示していた。                                                                                                                                                                                                                                                                                            



「やったー凄いじゃん! もう直ぐ夏休みだしさ、今日の水着持ってお兄さんと行ってきなよ」

 明玉は自分が当たったかのように興奮している。考えてみれば結婚してから無事弁護士になるまでは、と言うことで未だ新婚旅行には行っていない。                                                                         
 今は勉強が大変な時期だとは理解しているけど、いつも忙しい黎兄ちゃんとゆっくり遊べるチャンスだと思う。
 
「うん、私説得してみるよ」



 買い物を終えて帰り慌てて家事を済ませる。後は黎兄ちゃんの帰りを待ちながらリビングで宿題をするだけだ。
 それはいつもの日課だけど、今日はどうやって切り出すか考えて勉強に身が入らない。

「何て言えばいいかな……」

 ボソリと呟き手元に視線を移すと、ノートには旅行に行く為の持ち物メモが書いてある。中には水着の絵まであり、無意識に落書きしていた自分に笑いが込み上げてきた。

「何笑ってる?」
「黎兄ちゃん! お、おかえりなさい。ごめんね気付かなくてっ」

 一人でクスクスと笑っていると、突然声を掛けられ心臓が飛び出しそうになる。だけどノートはすぐ閉じたし、特に変わった様子も無いことから大丈夫そうだと安堵した。

「すぐご飯の用意するね」

 食事の用意をする為に片付ける振りをして、ノートと教科書を手に持ち台所に向かう。そのまま調理台の上に置き、スープを温めようと火をつけた。

「そのノートに何かあるの?」

 いつもの黎兄ちゃんは少しの時間でも勉強をしているのに、今日は台所に来て問い掛けてくる。これは確実に何か感付かれていると悟り、ここでごまかして怒られるよりはと白状した。

 内緒で明玉とデパートに行き、お揃いの水着を買った事。その後の福引で旅行が当たり黎兄ちゃんと一緒に行きたかった事など、全て素直に報告する。ただ、その水着がビキニである事だけは黙っていた。

「そうだね。まだ新婚旅行も行っていないし、たまには息抜きも必要だ。折角だから行こうか」
「本当に? 嬉しいっ」

 珍しくすんなり聞いてもらえて嬉しくて飛びつくと、黎兄ちゃんは私の背中に腕をまわしギュッと力を込める。

「それで? 水着はどんなのを買ったの?」
「普通の……ボーダー水着だよ」

 予想外の質問に焦って視線を逸らすと、顎をすくわれジッと見られている。どうにかこの追求から逃げたいが、しっかり捕まえられていて身動きが取れなかった。
 一言も発さず見詰め合ったままでいると、台所にスープの沸騰する音が響き出す。そこでようやく黎兄ちゃんが口を開いた。

「旅行用の水着は一緒に買いに行こう」
「えっ、今日買ったよ?」
「他の男にも見られるんだから、一緒に選んだ物で無いと駄目」

 折角明玉とお揃いで買ったのにと言いたいが、あまり反論して旅行自体が無くなるのも困る。今は仕方ないと諦め「はい」と言うしかなかった。

「じゃあ今度の日曜に買いに行こう」

 黎兄ちゃんは満足そうに微笑み、私は内心がっくりと肩を落とした。



「どんなのならいい?」

 今度は黎兄ちゃんとデパートに水着を買いに来て、どんなデザインならOKが出るだろうかと尋ねる。

「露出が少ない水着がいいな。これは?」

 そう言って見せられたのは、どう見ても半袖スパッツ型のフィットネス水着だった。

「折角の旅行なのに、そんなのヤダ! こっちの可愛い水着は?」
「少し丈が短いな」

 私が見せたロンパース型の水着にはNGが出る。お互いの主張を交えながら水着を選んでいると、気付けばかなりの時間が経っていた。


「じゃあこれで決まりだね! もう文句はなしだからねっ」
「ああ、それならまだ許せるな」

 ようやく決まった赤地に白の水玉のワンピース水着と、着丈長めの白のパイル地パーカーを手に急いでレジに向かった。



「どうだった?」
「何とかいけそうなの買えたよ。忘れずに持ってきたからよろしくね」
「じゃあ放課後ね」

 翌日明玉と学校に向かいながら、少し声を潜めて手に持った袋を見せる。黎兄ちゃんにビキニ水着の事がバレて取り上げられた後、落ち込んでいると明玉にある提案をされた。
 それを実行に移すべく、昨日買ってもらった水着を持参していた。


「授業も終わったし、早速被服室に行こうか」
「うんっ」

 一日の授業が終わるとまだざわつく教室を後にし、明玉と被服室に移動する。水着を取り出すと何度も相談を繰り返してから水着にハサミを入れた。




「凄い! 綺麗だね~」
「海は綺麗だけど、少し人が多いのが気になるな」

 夏休みに入るのを待って当たった旅行に出かけると、さすがリゾート地なだけあって景色も海もとても綺麗だ。だけど平日にもかかわらず沢山の観光客で賑わっている。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                

「折角の旅行だし楽しもうよ。早く荷物置いてこよ?」

 少し不機嫌そうな様子の黎兄ちゃんを促し、ホテルに荷物を置き直ぐに海に向かった。


「とりあえずこれでいいかな?」

 更衣室で水着に着替え、自分でうさ耳を縫いつけた白いパイル地パーカーを羽織る。前のファスナーもしっかりと上げると、水着は隠れて見えなくなった。
 その格好で更衣室を出ると、先に着替え終わった黎兄ちゃんが立って待っている。

「黎兄ちゃんお待たせ」

 声をかけると振り返った黎兄ちゃんは、私を見て目を見張る。

「買った時そんなうさ耳付いてた?」
「ううん、可愛いかなって自分で付けたの。おかしい?」
「いや、可愛いよ」

 自分で付けたうさ耳にも気付いてもらえて、嬉しそうな笑顔を見せられた。これは成功したと、とても嬉しくなる。

「じゃあ泳ぎに行こっ」

 手荷物を預けると手を繋ぎビーチに向かう。空いたビーチチェアを探し、脇にあるテーブルに買ってきた飲み物を置いた。
 これでいつでも泳ぐ事が出来るが、その前にすることがある。

「ねえ、黎兄ちゃん少し目を瞑ってて。プレゼントがあるの」
「いいけど、プレゼントって何?」
「言ったら意味無いよ」

 訝しむ 黎兄ちゃんになんとか目を瞑らせると、急いでパーカーを脱ぐ。実は今着ている水着は、買ってもらった物を改造した少しお腹の見えるタンキニだった。
 明玉に折角家政科に入ってるんだから、自分で気に入るように縫い直せばいいじゃんと言われ、こっそりと学校で作業していた。
 怒られるだろう事も想定していた為、少し距離をとってから声をかける。

「もういいよ」
「なっ夕鈴……」

 目を開けた黎兄ちゃんは明らかに動揺し、慌ててこちらに向かって来た。私は笑いながら捕まらまいと海に向かって駆け出した。

「夕鈴っ!」
「きゃっ」

 あっと言う間に追いつかれ、波打ち際で捕まった。そこで私を怖い顔で抱え上げると海に入り、どんどん沖に向かって歩いて行く。

「黎兄ちゃん? そんなに深いところに行ったら私足付かないよ」

 今は抱えられてようやく顔が出ている位深さがある。そう言って顔を覗き込むと、まだその表情は怒っているように見えた。
 一応露出は控えめにしたつもりだったけど、何がそんなに気に入らなかったのだろうか。

「夕鈴。そんな可愛い姿で走り回って、男達の注目の的になっていただろう。そんなに他の男に見られたかった?」
「えっ、そんなわけ無い。私が見られたいのは黎兄ちゃんだけだよ」

 その言葉に少し表情が和らいだ気がした。怒られるのは正直怖くもあるけれど、愛されていると実感できて嬉しくもある。

「これ以上他の男の視線に晒したくない」

 そう言って抱きしめてくる黎兄ちゃんの顔は険しかった。私は首に腕をまわし軽くキスをすると、ニッコリと微笑む。

「でも、ずっと海に入ってるわけにもいかないよ?」
「分かった。パーカー取って来るからここにいて」

 そのまま足の届く所まで連れて行かれ、一人海の中に残された。黎兄ちゃんはパーカーを持ち、慌てて戻ってくる。
 海の中で着せられ水から出ると、張り付いてはいるものの厚手の生地を選んだ為透けてはいない。それでも視線が気になると、私を抱え上げ足早にホテルに向かった。

「夕鈴も上手くなったね」
「何が?」

 途中でボソリと呟かれ聞き返すが、それに対する返事はない。この後ホテルに戻ってから旅行が終わるまで、観光することも無くほとんどの時間を部屋で過ごすことになった。
 だけど後悔なんかしない。全ては黎兄ちゃんに不安を感じさせること無く、愛を確かめ合う為の布石だったのだから。



おわり
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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