掌中の兎
こんばんは~ (*´-`*)

やっと書きあがったリクをこちらにも持って来ました!
唐突ですが、16巻オマケ漫画よかったですよね~兎耳(((o(*゚∀゚*)o)))

なのでそのネタで書いちゃいました。

でも碁の知識が無い私が色々調べたり捏造したりして書いてますので、おかしな所があってもその辺はスルーでお願いしますm(..)m

あ、後間に合うか不明なのですが。番長様で七夕ネタをアップしたいなと思ったり。


と、いう事で本物夫婦ネタとなります。よろしければどうぞ~

と、いう事で本物夫婦ネタになります



「私の兎は愛らしすぎる。可愛すぎて食べてしまいたくなる」

後宮の自室で、私は兎耳をつけた状態で陛下に押し倒されていた。
これの何がそんなにいいのか分からないけど、とても嬉しそうだから何か惹かれるものがあるのだろう。
でも考えてみると外見は関係ないと言ったのに? ふと疑問が浮かび口を開こうとした時、何処からか視線を感じた。
そちらに目を向けると部屋の隅にある壺から老師が顔を覗かせて、ニヤニヤしながら見ている。 

「老……っ」

思わず叫びかけた所で陛下に唇を塞がれ、続きをつむぐことが出来なくなった。
どんなに暴れても、鍛えられた陛下の体はピクリともしない。
(そこで老師が覗いてるんです――っ!!)
気付いて欲しくて手に力を込め、心の中で思い切り叫んだ。


「夕鈴、大丈夫?」
「え……?」

気付けば陛下が心配そうに私の顔を覗き込んでいた。
体を起こすと先程と同じ寝台の上にいたが、部屋には老師の入った壺はない。
働かない頭で状況整理を試みた。
 
「嫌な夢でも見た?」

陛下に掛けられたその言葉で、先程までの事が夢だと気付く。
意識が完全に覚醒すると、そもそもこんな夢を見たのは陛下が原因だと思い出し怒りがふつふつと沸いてきた。

この間あまりに老師が勧めるので、陛下のお帰りに合わせて兎耳を装着した。
帰ってきた陛下は私を見るなり一瞬固まる。
次の瞬間、嬉々として私を抱き寄せ口説き始めた。
ガッチリとホールドされ、どうやっても離してくれなかった。

あれからいくら断っても毎日陛下は兎耳を求める。
断り続けていたがついに根負けし、碁で私が負けたらと約束した。
それなら臨時時代は勝敗は五分五分だったから、頑張れば勝てると踏んでいたのに。
兎耳のかかった陛下は強く、毎晩つける事となりその度に悔しい思いをしていた。
(こうなったら妃修行の合間に特訓しか無いわ!)



「お主は今のままでいいのじゃっ」

どうすれば強くなれるだろうかと考え、老師に相談したが、そんな調子で取り合ってもらえない。

「でも……」
「儂は陛下とのラブラブ以外には協力せんぞ!」

取りつく島もなくそれだけ告げ、老師は部屋を出て行った。 

「じいちゃんは陛下とのラブラブ命だから無理じゃね? 人選間違ったよね」

近くでお菓子を食べる浩大がケラケラと面白そうに笑っている。
悔しくて睨みつけるが、全く気にした様子も無かった。
今はそれより次の手を考えなければならない。
こうなると他に頼れる人というと……。暫し考えた末、頭にある人物が浮かんだ。
(きっとあの人なら)



「授業も無いのに私の所に訪ねてくるなど。お妃様どうかなさいましたか?」

突然の訪問にも蘭瑶様は動じることもなく、いつもの美しい笑顔で出迎えてくれる。

「実は蘭瑶様にお願いがございまして……私に碁をご教授頂きたいのです」

意を決し用件を手短に伝えると、少し驚いた顔で聞き返された。

「碁……でございますか?」
「はい、蘭瑶様なら碁を嗜んでおられたのではないかと思いまして」

賢女である蘭瑶様なら、碁の腕前も相当なものではないかと推測する。

「確かに打つことは出来ますが、私はお妃様の仰る通り嗜む程度のものです。お教えできる程ではございません」

少しの間の後、蘭瑶様は困ったように言う。
だけどここで引き下がるわけにはいかないとなおも粘った。

「お願いします。このままでは私、毎晩兎にされるのです!」

真剣に視線を向け頼み込むと、蘭瑶様は笑い出す。
どうしていいか分からなくなった時、優しい笑顔を向けられた。

「いつかの光景を思い出しましたわ。分かりましたお引き受けいたしましょう。でもお相手をするくらいなら出来ますが、アドバイスは期待しないで下さいね」
「はい、よろしくお願いします!」

これで少しは勝機が見えると飛び上がって喜ぶ。
早速対局すると、思った通り蘭瑶様も強かった。
どうしようか悩んでいると、合間合間に「力みすぎですよ」「もう少し冷静に」と注意が入る。
陛下に勝つ為に、気合を入れて取り組んだ。



「流石に疲れたわ……」

碁の後はいつも通りの妃修行もこなし、蘭瑶様の時間の許す限り碁を打ち続けていた。
今は陛下のお帰りを待つのみだ。

「夕鈴、何だか疲れてる?」

初日から詰め込みすぎてぐったりしていると、突然声を掛けられ心臓が飛び出しそうなほど驚いた。
だけど動揺してはいけないと、深呼吸をして気持ちを落ち着ける。

「陛下、お帰りなさいませ。早速ですがいつもの勝負と参りましょう」
「夕鈴が疲れているなら今日はいいよ」

ニッコリ笑い勝負を挑むと、私を気遣う陛下に断られた。
折角の修行が無駄になってしまうと思い粘る。

「いえ、やらせてください!」

今日はとにかく修行の成果を見たかった。
対局が始まり蘭瑶様に注意されたことを気をつけながら打つ。
すると途中で陛下が手を抜いているように感じられてきて、悔しくて「本気でやってください」とお願いした。
その日の結果も惨敗で、自ら兎耳をつけると陛下の膝に乗る。

「さあ、愛でてください」
「夕鈴、可愛いけど目が据わってるよ」

困ったように笑う陛下に抱えられながら、明日こそはと意気込んでいた。
なのにどんなに頑張っても、翌日も翌々日も勝てなかった――
(こんなに頑張っているのに!)


きっとまだ努力が足りないのだと、今日も無理を言い蘭瑶様に指導を受ける。
ここ数日の疲労も溜まっていて、睡魔に襲われるが今はそんな事を言ってられなかった。
全て気合で乗り切ろうと、目の前の碁盤に神経を集中させた。


「勝てた! 蘭瑶様ありがとうございました。今夜こそは陛下に勝てる気がします」
「そう、それなら良かったけど――」

やっとのことで蘭瑶様に勝つことが出来て、嬉しくて今は他の事が耳に入らない。

「あ、そろそろ行かないと怒られてしまいます。では、本当にありがとうございました」

そろそろ李順さんとのお妃修行の時間だとお迎えが来て、お礼を告げると慌てて部屋を飛び出した。
向かいながら先程蘭瑶様が何か言いかけていたことを思い出すが、今は時間が無い。
今晩の報告も兼ねて明日にしようと決め、その後のお妃修行を頑張った。



「ただいま夕鈴。今日も気合入ってるね」
「陛下、お帰りなさいませ」

待ちに待った陛下のお帰りに、早速と準備すると陛下はお茶が飲みたいと言う。
陛下にも休憩も必要ねと、お茶を入れると二人で一服する。
今日は本当に勝てそうな気がして、気合を入れて挑んだ。


「僕の負けだよ」
「やっと……陛下に勝てました」

結果は私の勝ちで終わり、嬉し過ぎて涙が出てくる。
今はただ達成感に浸っていた。


――目を開けると私は寝台の上にいた。隣を見ると陛下も寝ている。
今、勝負して勝って……それから? 記憶があいまいでどういうことか思い出せない。
一先ず体を起こし考えていると、声を掛けられた。

「おはよう。夕鈴起きた?」
「おはよう……ございます」

振り返ると陛下が優しい笑みを浮かべている。
まだ状況判断が出来なくて、先程のは夢だろうかと戸惑った。
その様子を見て察した陛下が、説明を始める。

「夕鈴は勝った瞬間気が抜けたのか寝ちゃってさ。最近疲れてるみたいだったし、そのまま寝台に運んだんだ」

あんなに兎耳に拘っていた陛下なのにやけに穏やかで、本当に勝てたのか疑問が沸いた。

「碁盤はそのままにしてあるから見る?」

疑いの眼差しで見つめていると、その様子に気付いた陛下は私を抱え碁盤まで運ぶ。

「ね? 勝ってるでしょ?」
「はい……」

僅差ではあるが、私が勝った状態で終わっていた。
勝てて嬉しいはずなのにあまり実感が沸かないせいなのか、何だか思ったほど嬉しく感じない。
むしろ負けたはずの陛下が嬉しそうに見えるのは気のせいだろうか。

「陛下は悔しく無いんですか?」
「うん。夕鈴が最近無理してたでしょ? それが終わると思うと嬉しいよ」

陛下の気遣いに溢れた言葉で、目が覚めた気がした。
いつも私の事を考えてくれているのに、何故こんなに意地を張って勝とうとしていたのか。
意地っ張りな自分を反省していると、陛下に声をかけられた。

「夕鈴に兎耳が似合ってとても可愛かったから、毎日見れて幸せだった。でもそんなに嫌ならもう強制しないから安心して」

申し訳なさそうに告げられると、罪悪感でいっぱいになる。
私は近くに置いていたうさ耳を装着すると、陛下に向き直った。

「ごめんなさい。本当はそんなに嫌じゃなかったんです。ただ意地になってただけでした」

これからは嫌がらずに着けますねと言うと、とても幸せそうな笑顔を浮かべている。

「ありがとう夕鈴」

少し素直になっただけでこんな顔を見られるなら、これからはつまらない意地を張るのは止めようと誓った。



二人がイチャイチャしている後宮の屋根の上では、一部始終を知る浩大が笑いをかみ殺していた。
陛下は勝負の前にお茶に一服盛り、対局が始まって少しして夕鈴が寝落ちたことを確認すると碁を並び替える。勝ったと思い込ませる為に耳元で「僕の負けだよ」と囁いた。

目覚めたばかりの夕鈴を上手く勝ったと思い込ませ、誘導し兎耳をつける約束を取り付けた。

「さすが陛下だよな。お妃ちゃん頑張れよ」

浩大はうまく掌で転がされている夕鈴に、そっとエールを送った。


おわり
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