寒い夜の夢は
こんばんは〜(o^^o)

今日はSNSの方でのキリリクの転載です。

本当は光源氏計画の方のクリスマスSSの続き書こうと思ってたんですが、年賀状に思ったよりも時間がかかり(^^;)
あ、年が変わる前にキリリク書かなきゃで大晦日になってしまいましたので今更感があってどうしようかなと…

とりあえずこれは今年最後のSSとなります!
皆様良いお年をお迎えください(*^o^*)


リクは忙しい陛下と会えなくて寂しい夕鈴。だけど我慢して、耐えきれなくなった時それに気づいた陛下が慰めるというか甘えさせる。と、いう事でしたのでこのようになりました。

本物夫婦設定です。
よろしければどうぞ〜
「夕鈴、ほらこんなに雪が積もったよ。暖かくして庭を散歩しようよ」

 そう言って陛下は子犬の笑顔で手を差し伸べる。その手を取り共に庭に降りると、真っ白な雪景色が広がっていた。

「凄く綺麗ですね!」

 朝日でキラキラと光る雪を踏みしめると、サクッとした感触を感じる。新雪に二人の足跡をつけて庭を散策すると、積もった雪がいつもと違う景色を見せてくれていた。陛下は危ないからと、腰に回した手に力を込める。

「そろそろ政務が忙しくなるから、寂しい思いをさせるかもしれない」
「お仕事ですから仕方ないですよ! その間は妃修行を頑張りますから」

 申し訳なさそうな陛下に、大丈夫ですと笑顔で答えると抱き上げられた。

「もう少し寂しがって欲しいものだが、我が妃は真面目だから仕方ないな」
「寂しいに決まってるじゃないですか……」

 そっと陛下に抱きつくと、嬉しそうに抱き返され目を閉じた――


 目を開けるといつもの寝台に転がっていた。いつ寝たのだろうと、まだ回らない頭でぼーっと考えているとやっと結論に至った。

「夢ね……」

 ここ最近政務に忙しくなった陛下は連日王宮に泊り込み、暫く顔を合わせていなかった。

「陛下は国の為、民の為に頑張られてるんだから、少しくらい寂しくても我慢しないとね」

 自分に言い聞かせるように呟くと、支度をする為に起き上がった。


「お前さん最近あまり寝ていないのではないか? 隈ができておるぞ」
「そうですか?」

 突然現れた老師に指摘され、そんなに酷い顔なのだろうかと心配になった。とぼけてみたが、老師は全てお見通しなのだろうか……。
 あれから毎日同じ夢を見るようになった。だけど内容は少しずつ変わっていて、雪景色の中陛下は別の女性の手を取り歩いていく。私はただそれを遠くから眺め涙するだけ。そこで目が覚め眠れなくなる。最近はその繰り返しだった。

「寂しいのなら儂から進言しておくぞ」
「いえ、お仕事ですから仕方ありません。大丈夫なので黙っていてくださいね」

 不満そうな老師にニッコリと笑顔を見せ、修行があるからとその場を後にする。

 正直に言えば、もう寂しさは限界を迎えていた。でもここで老師に甘え、陛下の耳に入ると政務を抜け出して会いに来てくれるかもしれない。だけど政務の邪魔をするわけにいかなかった。だからお帰りにを待つ日々だけど、最近見る夢が気にはなる。

「陛下はただ政務でお忙しいだけなのに、他の人となんてね……よしっ」

 こんな時は掃除すれば落ち着くし、夜もよく眠れるだろうと修行の合間に老師の元へ向かった。


「今度は掃除か……お前さんも妃になったのじゃから、そんな事などしている場合ではなかろう。今は陛下に甘えんかいっ」

 久しぶりの掃除はやり甲斐があり、少し気持ちが落ち着いた。と思っていると老師がやって来て、いつもの台詞にお菓子を食べこぼし床を汚す。

「もうっ放っておいてください! それより邪魔するなら出て行ってください」

 イライラをぶつける様に言い放つと、老師は神妙な面持ちでこちらを見ていた。

「じゃが儂は後宮管理人、妃の体調管理も仕事の内。後でよく眠れる薬湯を運ばせるから、今日はゆっくり休んで陛下のお渡りに備え……そしてラブラブじゃーっ」

 罪悪感を感じ謝ろうかと思ったが、老師はそれだけ言い残し出て行ってしまった。一人残された部屋で、罪悪感を抱えたまま掃除をする気になれず部屋に戻った。

 その晩は老師の用意してくれた薬湯のお蔭で、夢を見ることもなく朝までぐっすり眠れた。翌日は一日調子が良く、立派な妃になる為にと勉強も頑張れた。

「老師、昨日はごめんなさい」
「いや、お前さんが元気になれたならそれて良い。だから今から陛下に会って来なされっ」
「それはできませんからっ!」

 途中老師にばったり会い、昨日の事を謝った。するといつもの返しに、従う事無く断る。不満そうに去って行く老師を見ていると、お礼を言ってない事を思い出し呼び止めた。

「老師っ! 薬湯ありがとうございました」
「礼などよい、今日はもう大丈夫じゃの」

 老師は振り返ると笑顔で答え、そのまま歩き去っていった。
(面倒くさい所もあるけど、何だかんだで面倒見のいいお爺さんよね)
 ふふっと笑うと、次の修行の部屋へと歩を進める。


 晩は再び夢を見た――
 雪の庭を女性と歩いている陛下は、今日はこちらを振り返る。

「夕鈴もこちらにおいで」

 いつものように優しい笑顔の陛下。だけど隣には綺麗な女の人がいて、そこに行きたくなかった。そこから離れたいのに、地面は凍っているようでツルツルと滑って歩けない。

「夕鈴?」

 目を開けると心配そうに覗き込む陛下の顔があった。

「陛下……どこにも行かないで下さい」
「どうしたの? 寂しかった?」

 気付けば自分から抱きついていた。陛下は優しく背を擦ってくれ、一緒に寝台に横になる。陛下の温もりに包まれて、再び眠りに落ちていった。

 目覚めて横を見ると、そこには陛下の姿はなく居た形跡もない。女官さんに聞いてもお渡りはないと言われ、あれも自分の願望が生んだ夢だったのだろうかと思った。

 それからは同じ夢を見て目を覚ますと、同じように陛下がいて添い寝をしてくれる。
 そうしている内に雪景色の夢も徐々に見なくなっていった。その為夜中に目を覚ますことも無くなる。

「今夜もあの陛下の夢は見れないのかしら」

 妃修行の合間、ふと独り言をこぼした。夜中に目を覚ます事が無くなると、添い寝の陛下の夢も見なくなる。それはそれで寂しくもあった。

「夕鈴!」
「へ、陛下。お帰りなさいませ。政務はもういいのですか?」

 いつも通り部屋で本を読んでいると、突然陛下がお帰りになる。思わす動揺するがやっと顔を見る事が出来て、自然に笑顔になる。陛下は歩み寄ると、私を抱き上げた。

「ああ、ようやく片付いた。私に会えなくて寂しくはなかったか?」
「そんなの寂しいに決まってるじゃないですか。でも、お仕事だから仕方ありません」

 そう答えると、陛下は無言で寝所へ向かい寝台に降ろされる。どうしたのだろうかと、様子を伺っていると陛下は優しく微笑むと口を開いた。

「寝ぼけている君は素直で可愛かったが、もうあの様に甘えてはくれないのか?」
「え……え――っ!!」

 あれは夢だったはず? でも……今のは? 頭の中をグルグルと思考が巡る。陛下はいたずらっ子の様な笑顔を浮かべると、説明を始めた。

「中々夕鈴に会えなくてイライラしていた所に、浩大から夕鈴が毎晩うなされていて、よく寝れていないようだと聞いてね」

 夜中に少し様子を見に来ると、君はやはりうなされて目を覚ました。声を掛けると寝ぼけた夕鈴は素直で可愛かった。だから女官に口止めして、こっそり毎晩通ってたんだ。
 そう続けた陛下に、驚きと嬉しさと色々な感情が入り混じり自分から抱きついた。

「お仕事大変なのに、気にかけて下さってありがとうございます」
「そんなに我慢する前に、言って欲しかったな。それに君が寂しく思った時は僕も同じく寂しいよ」

 夫婦なんだからと、陛下は優しく背を擦りながら耳元で囁く。

「はい……」

 それから今までの時間を埋めるように、深夜まで語り合う。
 これからはもう少し甘えてみてもいいのかもしれないと思った。
 
終わり
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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