報われる者報われない者
こんにちは〜(o^^o)

昨日SNSの方でアップさせてもらった、クリスマス企画のSSを転載させてもらいます!
こちら用に今書いてるんですが、家じゃないのでPCが使えず見直しするのも楽じゃない( ;´Д`)

なのでまだ時間がかか理想なので先にこちらを。

原作のクリスマスを老師目線でよろしければどうぞ〜(*^o^*)


 秋が過ぎるとあっという間で、ここ白陽国にも冷たい風が吹きすさぶ冬が訪れていた。
 そんな中でも紅珠は暖かな外套を身にまとい妃を訪ねる。

「お妃様、新作はいかがでした?」
「ええ、面白かったわ。だけどこのお話に出てきたくりすます? って何かしら?」

 外は寒い為、二人は後宮の一室でお茶をしていた。妃のその手には紅珠著、新作の巻物が握られている。

「遠い異国の地の行事だそうですわ。諸説ありますが、私は男女が愛を確かめ合う日だと認識しております」
「そう。だからこの二人はいつもより上等な衣装を着て町を歩くのね」

 紅珠はうっとりと目を瞑り、クリスマスの愛の奇跡について語り始める。妃はその横で巻物を広げ読みながら、何か考えているようだった。

「――と、言う訳でお妃様もたまには変わった趣向で、陛下を癒して差し上げられてはいかがですか?」
「変わった趣向ってどうやって?」
「お妃様もクリスマスをして差し上げられればよろしいですわ」

 そう言って紅珠はニッコリと微笑み、二人の話は弾んでいった。
 ここからでは巻物に何が書いてあるのかは分からないが、妃がクリスマスに興味を持った様で壺の中でほくそ笑んだ。



「お妃や、日々陛下をお慰めしておるか?」
「なっ、なんですか急に」

 妃修行の合間を狙い声を掛けると、妃は動揺している。この妃の初心さだと、陛下は満足されているのかと不安になる。やはりここは儂の出番じゃなと、計画を実行することにした。

「ところでもうすぐクリスマスだのう」
「えっ老師もくりすますを知ってるんですか? 昨日紅珠は愛を確かめ合う日だと言ってたのですが、そうなのですか?」

 儂が知っていた事に驚き、妃は興味深々で問い掛けてくる。内心ニヤリとしながら説明した。

「何じゃお主は知らなんだか。異国の行事じゃ、それもあるが良い子にしていた子には赤い衣装を着たサンタに贈り物をされると聞くのう」

 他にも鳥を焼いて食べるやら、ケーキという菓子を食べる等少し脚色しながら話してやる。それを妃はウンウンと頷きながら、真剣に聞いていた。
(これは実行に移しそうじゃのう)
 妃の反応からそう考え、早速準備に取り掛かった。 


「老師。今お時間大丈夫ですか?」
「お前さんが儂を訪ねて来るとは珍しいの」

 書物を読んでいる所に妃が訪ねてきた。そわそわと落ち着かない様子の妃に、近くの椅子を勧め座らせる。

「実は……この間のくりすますについてもう少し詳しく教えて貰いたいなと……最近陛下がお疲れのようなので、この間のくりすますというものをして、贈り物をすると喜んでくださるかなって思ったんです」」

 それを聞き内心よし! かかった。と喜ぶが顔には出さず、至って真面目に答えた。

「そう言い出す頃ではないかと思い、全て用意してあるぞ」
「凄い老師! ありがとうございます」

 喜ぶ妃に詳しい説明をすると共に、ケーキの作り方と贈り物を入れる為の靴下の作り方の資料を渡した。

「まだ時間はある。それを見て練習しておけば良いぞ。当日の事はおいおい説明しようかの」

 それだけ告げると、妃は嬉しそうに資料を胸に抱え戻って行った。


 それからは時々試作品のケーキが届く。色々な果物の配合を試しているらしく、着々と準備が進められているようだ。
 段々と日は迫り、そろそろ頃合かと妃を呼び出す。

「妃よ、最後の説明じゃ、心して聞くがよい。当日はこれを着て陛下に贈り物を渡すのじゃ」

 そう言いい真っ赤な布地で縁に白い綿を付けた衣装を取り出した。妃にの目の前で広げて見せると、不思議そうに眺めている。

「何ですかこれ? 変わった衣装ですね」

 拒否などさせぬよう、それが決まり事のように言い切った。

「プレゼントを渡すのはその衣装と決まっておるのじゃ! それを着て陛下に贈り物をし、喜ばせて差し上げると良い!」
「はい! 頑張ります」

 まんまと騙された妃は衣装を胸に、当日の事を思い描いているようで笑顔を浮かべている。
(よしよし、これはうまくいきそうじゃのう)
 


 当日になり妃は修行の後、ケーキを作りに行っていた。その間に飾りと称し、部屋に数個大き目の壺を運ばせる。

「これに薄布を掛け、飾るのじゃ」

 部屋に持ってきた壺に、飾り付けを施すように数人の女官に指示を出す。その中の一つに入りふわりと薄布を掛けさせた。それから暫し待っていたが、退屈で気付けばウトウトしていた。



「お帰りなさいませ陛下!」

 ふと聞こえた妃の元気な声で目が覚めた。いつの間に寝たのだろうかと回らない頭で考えていると二人の会話が聞こえ始めた。

「夕鈴。部屋の中で外套を羽織っているとは、風邪でも引いたのか」
「いえ、ちょっと驚かせようと思いまして」

 驚かせるとかいいから早く衣装を見せい! と心の中で叫ぶ。すると女官達の気配が消え、衣擦れの音が聞こえてきた。
 とうとう外套を脱いだのかと期待するが、陛下の反応がない。何が起こっているのか分からなく、様子をうかがいたい衝動に駆られる。だが今覗くとばれる可能性が高く、我慢し息を潜めていた。

「びっくりした~どうしたのその衣装」
「今日はくりすますという行事だそうで、これを着るんだって老師に言われて……」

 自信なさそうに語尾が小さくなっていく妃の声に、わざわざ露出の多い衣装を作らせたんじゃーいっと再び心の中で叫んだ。
 その間も二人の会話は進んでいく。

「陛下、めりーくりすます!」
「夕鈴これは何?」
「いつも頑張る陛下に贈り物です!」

 教えたとおりに嬉しそうな声で妃は贈り物を手渡したようだ。

「これは……?」
「贈り物を入れる靴下と、贈り物の靴下です! 靴下は靴を履く前に着ける物だそうですよ。最初に入れる用の靴下を縫ってたんですけど、手を入れてみたら意外と温かかったから」

 だから陛下がお渡りの時、足が冷えないように作っちゃいました! と元気な声が聞こえてくる。よし! そろそろラブラブじゃーっと叫びたいのを我慢し、様子をうかがう。

「ありがとう、夕鈴私の為に」
「このけーきも陛下の為に、試作を繰り返して作ったんですよ」
「そうか。夕鈴は私想いな妃だな」

 陛下の嬉しそうな声と、妃の照れている雰囲気が伝わってきてよしよしと頷いた。
 
「一緒に食べましょう」
「ああ、君の愛が詰まっいて美味しいな」
「なっ、突然何言ってるんですかっ」

 陛下の色気をはらんだ台詞に、期待が高まってくる。
(らぶらぶじゃーっ)

「今日は君に貰ってばかりで悪いから、私も奉仕しよう。ここがいい? それとも寝所か?」
「いえ、どちらも遠慮します!」
「いいから、黙って力を抜いて」

 妃は戸惑いの声を上げていたが、陛下は軽く受け流す。暫くすると部屋の中は静粛に包まれる。
(お、何事じゃ?)
 聞き耳を立ててみるが、微かな音しか聞き取れない。

「夕鈴、気持ち良い?」
「はい……」

 優しく問い掛ける陛下の声と、微かに聞こえた妃の声に期待がふくらんだ。とうとう我慢できなくなり、そっと布をめくり覗き見る。
 するとそこには、椅子に座った妃の肩を揉む陛下の姿があった……

「どういうことじゃーっ!! 何故そこで妃の肩揉みなんじゃ! 違うじゃろう!!」
「えっ老師、そんな所に隠れてたんですか」

 思わず叫んで壺から飛び出すと、妃が驚きの声を上げこちらを見る。

「張元……やっと出て来たか。いつも余計な事をするなと言っておるだろう」

 妃の後ろで顔に激しい怒りを浮かべる陛下に、冷たく告げられ背筋に冷たいものが走った。

「では後は二人で仲良くお過ごしくだされ」

 ここはとっとと退散した方が良かろうと、これ以上怒らせる前に部屋を出る。



「じーちゃんも懲りないよな」
「今回氾の娘にも協力してもらい、上手く言ったと思ったが駄目だったか……」

 後宮の奥で隠密と酒を飲みながら、ブツブツと愚痴をこぼす。

「覗いてなければ上手く言ったんじゃね? きっと今も仲良くしてるさ」
「儂は後宮管理人として、御世継ぎの顔を見るまで諦めんぞ!」
「まあまあ、今夜は付き合うからとことん飲もうぜ」

 隠密により空いた杯に新たな酒が注がれ、ぐびぐびと飲み干すと叫んだ。

「ラブラブじゃ――――っ!!!」

 静まり返った後宮に声が響き渡った。

おわり
スポンサーサイト

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

Secret
(非公開コメント受付中)

こんばんは|д゚)チラッ
こちらでも…
らぶらぶじゃ~(*≧∇≦)ノ♡

老師大好きです♪
りこ様
こんばんは〜(о´∀`о)

こちらにもアップしちゃいました!
ラブラブじゃ〜!

老師面白いですよね(´∀`)
コメントありがとうございました!
 


カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示