マンネンロウ
こんばんはー (*´-`*)

師走ですね。何だか毎日過ぎるのがあっという間ですよね(´・ω・`;)
書きかけのお話が2話+今無性に書きたいお話もあり時間が足りない花愛です。

SNSの方で白友さんのお誕生日&姉の日という事でアップしたばかりのSSを日が変わる前に持ってきました!

※こちらのお話は黎翔と夕鈴の年齢逆転+黎翔と青慎幼馴染設定になっています。
※現パロになります

それでもよろしければどうぞ~




「ちょっと父さん! 新聞読んでないで早く食べてよね。片付かないじゃないの」
「ああ、そうだな……」

 朝食を前に新聞を読みふける父親に娘は怒っていた。

「姉さん、片づけなら僕も手伝うから。忙しいでしょ」
「青慎、あなたは良い子ね。勉強も出来るし、優しいし、真面目だし私の自慢の弟よ!」

 気遣う弟に抱きつく姉と、その隣で変わらず新聞を読んでいる父親。いつもと変わらない、汀家の朝の風景が繰り広げられていた。
 そこにピンポーンと呼び鈴の音が鳴り、聞こえてくる青慎の幼馴染が呼ぶ声。

「青慎ーっ」
「あ、黎君が迎えに来たわよ。はい、青慎のお弁当」

 姉は笑顔で弟にお弁当を手渡し、嬉しそうにもう一つお弁当を抱えると玄関に向かった。青慎はそんな姉の後をゆっくりと着いて行く。

「おはよう。はい! 黎君のお弁当ね。今日もお勉強頑張って来なさいよ」
「いつもありがとう! 夕姉のお弁当美味しいから、いつもお昼楽しみにしてるんだ」

 そう言ってニッコリ笑う青慎の幼馴染は、早くに母親を亡くしていた為、夕鈴が何かと面倒を見ていた。
 お弁当を渡し二人を見送ると、手早く身支度を整え会社へ向かうのが日課になっている。

「じゃあ二人とも気をつけて行ってらっしゃい」
「行ってきます」

 学校に向かい歩き出すと、家から少し離れた所で青慎は黎翔に問い掛けた。

「黎翔はいつまでその弟キャラで行くつもり? 姉さん鈍いからもっと積極的に行った方が良いと思うよ」
「ああ。いつも子ども扱いされるからつい……な。今はまだ男の影はないが、いつどうなるか分からないよな」

 黎翔は自分に寄って来る女を冷たくあしらう。だが夕鈴には素直に甘え、弟のように振舞っていた。
 それを青慎は近くで見てきた。また夕鈴も黎翔といる時は、とても嬉しそうで二人がお互い想いあっているのは明白だった。

 

「夕鈴、何浮かない顔してるのよ」

 夕鈴が仕事中カレンダーを見てため息をつくと、同期の明玉がそれに気付き声をかける。

「明玉……今は仕事中だからまた後で」

 夕鈴はそれだけ答えると、ディスプレイを見つめキーボードを叩き始めた。



「何!? もうすぐ誕生日で弟の幼馴染とまた年の差が開くから、そんな顔してたの?」
「ちょっと、明玉声が大きいわよ」

 沢山の人が集まる食堂のテーブルに二人は陣取り、仲良くお弁当を食べる。そこでため息の理由を問いただすと、明玉は返って来た答えに驚いた。

「そっか。夕鈴はその子が好きなんだね。それならさっさと告白しちゃえば良いのに」
「でも、私の方が四つも上だし……学校には若くて可愛い子沢山いるのよ。それに何より昔から知ってるから、今更素直に言えるわけないわ」

 頬を染めそう言う夕鈴はどう見ても恋する乙女で、明玉はそんな夕鈴を微笑ましく見守っていた。
 ふと何か思いついたそぶりを見せ、笑顔で夕鈴に声をかける。
 
「夕鈴誕生日って明後日よね? その日楽しみにしておいてね」
「うん、そうだけど。何かあるの?」

 夕鈴の問い掛けには答えず、明玉は一人楽しそうに笑っていた。



「明玉のくれたこのチョコ。帰ったらすぐ食べてみてって言われたけど、何かあるのかな」

 夕鈴は誕生日プレゼントとして明玉に貰ったチョコを部屋で眺める。
 今は誕生日だからと青慎と黎翔がご飯支度をしてくれるということで、夕鈴は自室で待っている所だった。
 とりあえずご飯前だが試しに一粒口にすると、中がトロっとしていておいしい。

「後で二人にも分けてあげよ」

 チョコを箱の中に戻し机の上に置くと、夕鈴は机の引き出しから古い日記帳を取り出した。
 
「今はそんな時間ないけど、昔はよく日記書いてたな」

 普段読み返す事のないそれを開きページをめくる。

四月○日
今日は青しんとれいくんの入学式だった。二人共小さい体に大きなランドセルせおっててかわいかった。

○月×日
今日も学校でみかけたれい君は同級生の女の子に囲まれていた。
近寄りにくくて遠くから見ていたら、私に気付いたれい君は「ゆうりん」って笑顔で呼ばれうれしかった。

三月×日
とうとう私は卒業して黎君と別々の学校になる。家に帰ったら会えるけど、年の差を感じて寂しい……

「こうして改めて見ると恥ずかしいわね。黎君の事ばっかりだわ」
「夕鈴?」

 突然後ろから声をかけられ、慌てて日記を閉じて振り返ると、開いたドアの前に黎翔が立っている。動揺していた為、夕鈴はいつもと違うことに気付いていなかった。

「黎君。いつもノックしてって言ってるのに」

 着替えてたらどうするのよと夕鈴が続けるが、黎翔はただニコニコして聞いている。

「それより準備できたよ。後は主役の夕鈴だけだよ」
「うん、すぐ行くわ。ありがとう」

 日記を机に仕舞い、一二人でリビングに移動する。するとそこには沢山の料理と、十七歳おめでとうと書かれたプレートの乗ったケーキがあった。

「あら? 十七歳? 今日は私の誕生日だったわよね?」
「そうだよ。姉さん寝ぼけてるの? 今日は姉さんの十七歳の誕生日でしょ」

 狐につままれたような気分で青慎に視線を向けると、そこにいる青慎はどう見ても夕鈴より小さい。高校生になってから急に背が伸び始め、あっという間に夕鈴の背を抜いたはずだったのに。
 
「青慎、何でそんなに小さくなっちゃったの?」
「夕鈴。おかしな事言ってないで早く始めよう。折角作った料理が冷めちゃうよ」

 疑問を投げかけるとそう返され、それもそうねと二人が用意してくれた料理が冷める前に食べることにした。
(こんなおかしな事は普通ないし、きっとこれは夢ね)

「うん、料理どれも美味しいわ。二人共ありがとう」
「よかった。喜んでもらえて」

 三人で楽しく料理を食べた後は、夕鈴がケーキのろうそくを吹き消す。

「夕鈴。十七歳おめでとう」
「姉さん、おめでとう。これは僕から」

 まだ中学生で大したものは用意できなかったけどと、手渡されたプレゼントはフラワーモチーフのポニーだった。

「可愛いわ、ありがとう青慎」

 夕鈴は嬉しくて青慎に抱きつき喜ぶ、すると急に腕を引っ張られ引き剥がされる。突然の事に何事かと振り返ると、不機嫌そうな顔の黎翔が立っていて、そのまま引き寄せられた。

「いくら弟でも、目の前で面白くないな」
「いつもの事じゃない。どうしたの?」
「僕らやっと付き合うようになったのに、目の前でこれだよ? 妬いちゃうよ」

 黎翔がしっかりと腰に手を回している為、体は密着し顔も近い。夕鈴は夢とはいえ刺激が強すぎると内心身悶えていた。

「夕鈴は誰の彼女?」
「黎君の?」

 なんて都合の良い夢なんだろうと思いながら夕鈴は答える。すると黎翔は顔に手をそえ、視線を合わせると再度問い掛けた。

「何で疑問系だよ。じゃあ好き?」
「なっ……青慎もいるのに何言ってるのっ」

 恥ずかしくてそのまま黙ると、黎翔は段々としょんぼりしてきて幻の垂れた耳と尻尾が見える気がした。
 そんな子犬のような姿に弱い夕鈴は、目をぎゅっと瞑り叫ぶ。

「黎君の事、好きに決まってるじゃないっ!」

 その瞬間強く抱きしめられ、唇に柔らかいものが触れた――


「……え。……姉。夕姉!」
「ん、黎君……ずっと好き……だったの」

 目を開けると間近に黎翔の顔があり、状況が掴めない夕鈴はそのまま続ける。すると突然顔を真っ赤にした黎翔の反応を見て、夢じゃないと気付き夕鈴の意識は覚醒した。

「ちょっと、今の無し! 寝ぼけてたの」

 動揺し慌てふためいていると、手が当たり日記が床に落ちる。開かれたページに書かれていたのは――

『四つも上でも好きになってくれますか?』

 「キャーッ」

 夕鈴は慌てて日記を拾い胸に抱く。暫しの沈黙の後、夕鈴は後ろから抱きしめられていた。

「隠さないで。僕もずっと夕姉の事が好きだったんだ……年の差なんか気にならない様に早く大人になるから、だから付き合って?」
「……黎君はモテモテだし、他に若くて可愛い子いっぱいいるじゃない」

 自分が年上である事を気にする夕鈴を、黎翔は無言で向きを変えさせそのまま口付ける。
 夕鈴は驚き離れようとするが、思いの他強い力で掴まれ離れられない。

「なっ……」
「今までもこれからも夕鈴しか見てないよ。だからよろしくね」

 ようやく開放され夕鈴はその場に座り込み、黎翔はそう笑顔で告げ夕鈴をそっと抱き上げた。

「腰抜けて歩けないんでしょ? 青慎が待ってるしこのまま連れて行ってあげるよ」
「なんで分かったの……?」

 恥ずかしそうに問いかける夕鈴に、黎翔は笑顔で答える。

「夕鈴の事は何でも分かるよ。何年見てたと思ってるの?」
「うん……ありがとう」

 中々来ない二人の様子を見に来た青慎は、部屋の外からそのやり取りを聞いていた。

「あんなに焦れったかった二人だったのに、どんな魔法を使ったんだろね」

 一人呟くとそっとその場を離れ、ようやく気持ちを確認しあった二人を待つ。



「おはよう夕鈴! 昨日のチョコどうだった?」
「え、うん……まあ。美味しかったよ」

 赤い顔で視線をそらす夕鈴に、勘の良い明玉はピンと来る。

「素直になれるチョコは役立ったようね」
「あれ、そんなチョコだったのね。貴重な物をありがとう! またお礼するね」

 そう言って足取り軽く去っていく夕鈴を見送りながら、明玉はひとりごちた。

「何てね。ただのお酒入りチョコだったんだけどね」


おわり
スポンサーサイト

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

Secret
(非公開コメント受付中)

 


カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示