月夜の君(つくよのきみ)前編
こんばんは (*´-`*)

次はある物を書くつもりだったのに、久々にお絵かきがしたくなって落書きしてたら時間がなくなりました(´・ω・`;)
そして土曜も仕事だけど、日曜は引きこもる予定なのでゆっくりしつつカキカキしようかなって思ってます。

今日は昨日一昨日とSNSの方でアップさせてもらいましたBDリクを持ってきました!
短くまとめる事が出来なくて前後編になっています。(それでも長いのですが)

今回はリクが「かぐや姫」ということでしたので、かぐや姫パロになっています。
前編はふさふさもリク主様も夕鈴と方淵のかけあいにウケてくれ嬉しかったですヽ( 'ω' )ノ

よろしければどうぞ~(*゚▽゚)ノ
 昔々ある所に汀 岩圭という下級役人がいました。
 その役人は賭け事が好きで、いつも貧乏でした。その為時に竹を切りに行き、持ち帰った竹を息子の青慎が竹細工にし、売って生活費に当てていました。

 岩圭がいつものように竹やぶに入ると、一本だけ根元が黄金色に光る竹を見つけます。不思議に思った岩圭はその竹を切り中を覗き込みました。
 すると中には可愛い小さな女の子が座っています。

「これは面妖な……連れ帰って青慎に見せてみよう」

 岩圭は竹筒ごと懐にそっと忍ばせると、家路へと急ぎました。

「青慎! 青慎はいるか!」

 扉を勢いよく開け帰ってきた岩圭に、竹細工を作っていた優しく賢そうな少年は冷静に返します。

「どうしたの? 父さん、また賭けに負けたの? ほどほどにしなよ」

 少年は驚きもせず苦笑している事から、その様子が日常茶飯事であることがうかがえます。

「いや、これを見てくれ」

 興奮気味な岩圭はそんな事はお構いなしとばかりに、懐から光り輝く竹筒を取り出します。
 少年がその中を覗き込むと、可愛い女の子が座って微笑んでいました。

「父さん、この小さな女の子はどうしたの?」

 初めて見る小さな人間に、少年は驚き問いかけます。

「いや、分からん。だがこれは高く売れるぞ。やはり几商店に持っていくのが確実か……」

 売るつもりで考え込んでいる岩圭の横で、青慎が竹筒を覗き込むと女の子は今にも泣き出しそうでした。
 青慎は慌てて岩圭を諌めました。

「父さん。物じゃないんだから、すぐにお金に結びつけるのはよくないよ! こんなに小さいんだから一人位家族が増えてもやっていけるよ」
「……お前がそう言うなら仕方ないな。ではしばらくここにおいて様子を見るとするか」

 いつも苦労をさせている青真に頭が上がらない岩圭は、しぶしぶ了承します。すると女の子はニコニコと嬉しそうに笑っていました。
 その可愛さに、二人も自然に笑顔になりました。

 女の子は黄金色に輝く夕日のように光る竹から生まれ、その声は鈴を転がすような声であった為、夕鈴姫と名付けられ大事に育てられました。
 夕鈴姫が来てからと言うもの、黄金の入った竹が発見され汀家は裕福になっていきます。その為青慎も行きたかった学問所へ通うことが出来るようになっていました。
 夕鈴姫はあっという間に妙齢の美しい姫へと成長していきました。すると噂のその美しい姫を一目見ようと、男達は屋敷に集まり、知恵を絞るがそれは叶いませんでした。



 暑さも和らいできたある日。夕鈴姫の屋敷には、五人の貴公子が集まっていた。

 小柄な幼い容姿の者、背が高く人のよさそうな者、長い髪を一つに纏めた目付きの鋭い者、髪を緩く編んだ大人しそうな者、そして一人少し離れて座る艶やかな黒髪の男が、ある部屋に通されていた。

「このようなむさ苦しい住まいにお集まり頂き、まことにありがとうございます。夕鈴姫に襖を開けさせる事が出来た方に嫁ぐと言っておりますのでお願い申し上げます」

 岩圭が襖の前に座り皆に告げると、小柄な幼い容姿の男が立ち上がった。

「じゃあ、俺から行くぜ。夕鈴姫ちゃん、俺の名は浩大よろしく」

 貴公子にしてはおかしな喋り方の男を、岩圭は怪訝な顔で見つめる。だが浩大は気にした様子もなく、懐から扇を取り出した。
 すると口笛を吹きながら扇を鳴らし、拍子を取り始める。その楽しそうな様子が見ている者にも伝わってきて、岩圭はどうだろうかと様子をうかがっていた。

「浩大さん、ありがとうございます。音だけでも楽しそうな様子が伝わってきました」

 終わった後少しの間が空き、襖の向こうから鈴の音のような夕鈴姫の声が聞こえる。だが襖は開くことはなかった。
 それを見て次に 背の高く人のよさそうな男が立ち上がった。

「俺は克右。夕鈴姫さんを楽しませてあげられる自信はないが、頑張るからよろしく」

 襖の前に立ち深呼吸をすると、たどたどしく歌い始める。歌自体はいい出来とは言えないが、一生懸命なその姿に岩圭は誠実そうな印象を受けた。

「克右さんもありがとうございます。あなたの誠実な人柄の伝わる素敵な歌でした」

 またも夕鈴姫は礼を述べ褒める事はするが、襖は開かず克右は場所を譲った。
 今度は 長い髪を一つに纏めた目付きの鋭い男が立ち上がり、襖の前に歩み出る。

「私は方淵と申す。沢山の求婚者に顔も見せないひきこもり姫には、私はこれを贈ろう」

 求婚に来た者であるはずが、喧嘩腰なその物言いに岩圭は首を傾げる。
 方淵は襖を睨むように見つめ、始まったのは唱歌だった。

「方淵さん。言葉に棘があった気がしますが、唱歌は一寸の狂いもなく素晴らしかったです。とても真面目な方なのでしょうね。ありがとうございました!」

 微かに怒気を含んだ声で、夕鈴姫が語尾を強める。やはり扉は開かず方淵は眉間にしわを寄せ、舌打ちすると後ろに下がった。
  すると少し青い顔をした、髪を緩く編んだ大人しそうな男がゆっくりと歩み出る。

「初めまして、私は水月と申します。本日は夕鈴姫様にお聴き頂こうと、笛を持ってまいりました」

 岩圭は今度は物腰が柔らかく気品もある男でほっと胸を撫で下ろした。
 水月は懐から取り出した笛を構えると、優雅に演奏を始める。

「水月さんありがとうございました。とても綺麗な音色で、先程の荒んだ心が洗われるようでした。笛がお好きなのですか?」
「私は笛に限らず色々な楽器を嗜んでおります」

 曲が終わると初めて夕鈴姫が興味を持った様子で問いかける。水月は嬉しそうに返すと、後ろから冷たい空気を感じ、水月は顔を青くした。

「すみませんが私はこれで失礼いたします」

 それだけ言い残すと水月は屋敷を後にした。
 何事かと不思議そうな岩圭の横をすり抜け、艶やかな黒髪の男が襖の前に座り込む。

「夕鈴姫、私は李翔。あなたがここを開けてくれるまで動かぬ覚悟でやってまいりました」

 李翔が襖越しに話しかけると、他の男達に囲まれた。
 
「ちょっ、ちょっとそんな事したら怒られますよ」
「何を言ってるのですか! 今日は戻って頂きませんと」
「まあいんじゃね? おもしれーし」

 二人が必死に止めようとしている中、一人面白がる男。その異様な光景に、岩圭は戸惑っていた。

「大丈夫だ。お前達は先に帰って李順に伝えておけ」

 意思の強い瞳を向け有無を言わせないその様子に、男達は何も言えなくなり仕方なく屋敷を後にする。

「李翔様、あの方達とはどういったご関係で?」
「ただの仕事仲間ですよ。それより夕鈴姫と二人で話したいので席を外してもらえませんか?」

 岩圭は言われるがまま部屋を後にし、李翔は誰もいなくなった室内で襖に向かい語り続けた。
 父、母の事から始まり自分の事。今は闇の中にいるような毎日の為、見るだけで心が和むと噂の夕鈴姫に求婚に来た事。
 はじめは戸惑っていた夕鈴姫も、李翔の胸のうちを明かされ徐々に心を開いていった。

 日の暮れてきた頃。岩圭が食事を運び声をかけようとすると、中から二人の会話が聞こえそっと襖を開ける。すると二人を隔てていた襖は開けられ、仲睦まじく向かい合わせに座り会話する姿が目に入った。

「これで安心できるな」

 二人の楽しそうな姿を覗き見た岩圭は、安心した様子で小さく呟いた。
 最初は売り物としか見ていなかった女の子だったが、岩圭は一緒に過ごしていく内に本当に娘の娘のように思い始めていた。その為、夕鈴姫には幸せになって欲しくて五人の貴公子を集めたのだった。

「父さん、今はお邪魔みたいだからまた後にしようよ」

 いつの間にか後ろに立っていた青慎に声をかけられ、岩圭はそっと襖を閉めると部屋を離れた――

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テーマ : 二次創作:小説
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