白陽国の歴史
こんにちは(*^o^*)
今日は昨日SNSでアップしたお話を持ってきました。まだ次書き始めてないので^^;

向こうで7000歩を踏んで頂きまして書かせてもらった白陽国の歴史リク。
難しくて書くのに時間がかかってしまいましたが、沢山の方に足を運んで?もらえるお話になりました(*^^*)
ここで書いても伝わらないかもしれませんが、Y様本当にありがとうございました!

*原作本物夫婦設定です。
*未来捏造(私の希望を含みます)
*流血表現は抑えて少し血が出る位にしてます。

よろしければどうぞ〜



 学校帰りの学生で賑わった図書館の片隅で、一人の学生がパラパラと本を捲っている。
 テーブルの上には沢山の資料が積まれているが、周囲で真剣に勉強している学生とは違い、明らかにやる気がなさそうな様子だった。
 それもそのはず。その生徒は学校の課題の為、興味の無い歴史を調べに図書館に来ていたのだった。
 適当に捲っていたが、ある文字が目に留まる。そのページを拡げよく見るとそこには妖怪妃の文字があった。

「妖怪妃? なんだこれ」

 そこにはかつて冷酷非情の狼陛下と呼ばれた白陽国国王、珀 黎翔の唯一の妃である夕鈴について書かれていた。
 妖怪妃に興味を持った学生は、白陽国について記された本を手当たり次第に借りると家に持ち帰り読みふけった。


 一度後宮から出されたのにもかかわらず再び戻った妃に、死んで甦り後宮へ舞い戻った妖怪妃の噂が出回り始める。
 同じ頃炎波国の姫が使節団と共にやってきて、親善交流と称し永らく滞在していたが、妃の功績で親善交流は成功を収め姫は自国へと旅立った。だが、他国でも妖怪妃の名が囁かれることになる。

 翌年――
 狼陛下の唯一の妃である夕鈴は数多くの逆境にも負ける事無く、持ち前の不屈の根性で陛下を支え続ける。少しずつ反対する者は減るが、子を為さない妃に反対する声も強くなる。だが黎翔は賛成派を味方につけ、まだ残っていた反対派を押し切り夕鈴を正妃にした。
 炎波国からはお祝いとして『妻、妾、子女、息子の嫁などの女子や財産、武力を司る』と言われる白虎が贈られる。
 白虎は警戒心が強く人を寄せ付けず、餌も食べようとしない。段々と弱っていく白虎に、近付く事さえできない医師は頭を抱えていた。
 それを見かねた夕鈴妃が周囲の反対を押し切り、世話を始めると白虎は少しずつ餌を食べ始め元気を取り戻していった。
 完全に元気になる頃には白虎は夕鈴妃にべったりとなる。虎と狼を手懐けた妃は妖術で獣まで操ると、妖怪妃の名をほしいままにした。

 翌年太子が誕生し白陽国はお世継ぎの誕生に沸き立った。その翌年には公主が誕生し、毎年男女交互に産まれ太子三人公主二人の五人の子供に恵まれる。
 妃の慈愛に満ちた子育てと陛下から王宮で生き残る知恵と心構えを教えられ、慈悲の心と聡明さを併せ持った子供達を育て上げた。
 夫婦が協力し国を安定させ、五人の子供を立派に育てあげ生涯仲睦まじく過ごした二人は『比翼の鳥』(雌雄それぞれが目と翼を一つずつもち、二羽が常に一体となって飛ぶという、中国の空想上の鳥。夫婦の仲のよいことにたとえられる)の元になった。
 夕鈴正妃は素性不明の寵妃から妖怪妃と呼ばれながら正妃になってからは自分の責務を全うした。
 その事から『世上无难事,只怕有心人』(堅い意志さえ持っていれば世間にはやれないことはない)ということわざが生まれる。

「こうして読むと、なぜ妖怪妃と呼ばれたのか分からないな」

 学生は本を閉じ机に置くと、借りた本の最後の一冊を手に取りパラリとページを捲った。


 長い苦労の末、夕鈴妃は正妃となる。儀式の最中雲の切れ間から光が漏れ、光線の柱が放射状に地上へ降り注いでいた。それはまるで天からも祝福されているかのような光景だった。


「我が妃はまた虎の所か」
「あの子もご飯の時間だからと仰られて……」

 陛下は政務の途中、正妃に会いに戻ると部屋はもぬけの殻だった。炎波国から贈られた白虎は誰も傍に寄せ付けず餌も食べない為、皆頭を抱えていた。それを見かねた正妃は周りの反対を押し切り忙しい日々の合間を縫って白虎に餌を運び、いくら吠えられても止めることは無かった。その内徐々に吠えなくなっていき、餌も食べるようになっていた。だがそれは正妃限定で他の者は寄せ付けようとしなかった為正妃が世話に追われる事となり、その間陛下も近寄れず面白くなかった。

 仕方なく政務に戻ろうとしたとき、突然白虎の底力のある、訴えるような鳴き声が響く。陛下は慌てて声のした方に向かい部屋のドアを開けると、白虎が飛び出してきた。
 部屋の中には血痕があり、刺客が倒れているだけで正妃の姿が無い。
(これは夕鈴を攫いに来た刺客か……)
 隠密を呼びその場の処理を任せ、女官を李順の元に向かわせると自身は白虎の後を追った。

 声を頼りに後宮の庭を突き進んでいくと、正妃を連れ去ろうとしている刺客と傷付きながらも懸命に戦っている白虎の姿があった。

「夕鈴っ!!」

 自身が縛られ攫われそうなのにも関わらず、傷付いた白虎を見て涙する正妃が視界に入り陛下は剣を振るう。
 陛下が刺客を倒し夕鈴の縄を切り、李順が軍部の者を連れて来たのを確認すると白虎はドサリと倒れ、正妃は駆け寄った。

「小刀が……」
「刺さっているな。毒が塗ってあるかもしれない。後は医師に任せよう」

 陛下は白虎から離れようとしない夕鈴を無理やり離すと、医師の元に連れて行く。

「白虎はどうですか?」
「まだ報告がないから何とも言えない。あの傷だ。まだ暫くはかかるだろう」

 治療が終わり少し落ち着いた正妃が心配そうに口を開いた。次の言葉を紡ぐ前に陛下から声を掛けた。

「治療部屋の前まで行ってみようか」

 陛下は自身が傷付きながら助けようとした白虎に、暫く正妃の気持ちが向くのは仕方がないと諦めたのだった。
 自分で歩けるという正妃を抱き抱え、部屋の前に連れて行く。祈る正妃を抱き締め暫し待っていると、中から医師が出てきた。

「治療は終わりました。後は白虎の体力が持つかだと思われます」

 中に入ると白虎は力無く倒れていて、巻かれた包帯が痛々しい。正妃が近付きそっと頭を撫でる。

「ありがとう」
「私からも礼を言わぬとな。我が妃を守ろうとしてくれてありがとう」

 正妃の手に自身の手を重ねてそう呟くと、白虎の耳がピクリと動いた。

 それから暫くは正妃は付きっ切りで看病し、白虎は漸く立ち上がれるまで回復すると再び人を寄せ付けなくなったが、前とは一つ変わった事があった。
 白虎は他の者は寄せ付けないが、陛下は傍に行っても怒らなくなった。その為正妃が片手に白虎を抱き片手に狼陛下という光景が度々目撃されるようになり、お互い認め合った陛下と白虎は協力して正妃を守っていくのだった。


「これが昔の女性作家紅珠の本か。始めの傷付いた手負いの狼を拾うところから読んだけど、どれを読んでも慈悲深い立派な人にしか思えない。きっと真相は今まで誰も成し得なかった事をしたから妖怪と呼ばれたという事かな」

 学生は本を閉じると一人呟きレポートに取り掛かった。
スポンサーサイト

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

Secret
(非公開コメント受付中)

 


カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示